名正運輸株式会社様

ISO 39001 認証取得事例 名正運輸株式会社
透明性の高いマネジメントシステムを作って従来の安全活動を結び、強化した

代表取締役社長 加藤新一氏 代表取締役社長 加藤 新一氏

愛知県に本拠を置く名正運輸株式会社は、中部エリアを中心に関西、関東圏まで含めて、輸配送・物流センター運営・物流センター開発という3PLサービスを提供している。実際にトラックを保有し、運輸業務を担う名正運輸は、パイロット審査の段階からISO 39001に取り組み、運輸関連の事業者として初の認証登録企業となった。加藤新一代表取締役社長に、ISO 39001導入への強い思いから実際の取り組みの状況、実感するメリット、今後の展開などについて語っていただいた。

Q&A

事業のなかで交通安全の占める位置づけをお聞かせください。

交通事故は事業継続に関わる最大のリスクであり、安全対策は顧客ニーズに直結する重要な取り組みです。

私たち物流に関わる事業者にとって、安全対策は基本中の基本です。これができなければ存在意義がないと思っています。当社は過去、事故に悩まされ、私自身、痛い思いをしてきた経験があります。そういう過程を経て、安全への思いはますます強くなりました。
また年々、お客さまの「物流品質」を求めるニーズも高まっていますが、その品質の前提こそが「安全に商品を届ける」ことです。道路交通安全は、顧客満足を達成するベースでもあるのです。

安全品質方針 安全品質方針

これまでの交通安全対策をご紹介ください。

安全衛生委員会を通して組織的な取り組みを行ってきました。

名正運輸のトラック<br>(物流センターにて) 名正運輸のトラック
(物流センターにて)

道路交通安全への取り組みは1998年頃から意識的に推進してきました。社内に設けた安全衛生委員会の活動として現在までに、さまざまな取り組みを積み重ねています。厳格なアルコールチェック、運行数値を記録するデジタルタコグラフの全車導入、運転状況を記録するドライブレコーダーの活用、バックモニター取り付けといった機器・装置による安全対策と、会社で定めた運行速度(社速)の完全徹底、迅速な事故対策、乗務員を追走しての運転状況の確認、添乗による指導といった運用・管理上の安全対策の両面展開を行ってきました。

ISO 39001の認証取得の動機、目的をお聞かせください。

交通安全への強い思いを背景に、第三者の視点で今までの活動を検証、強化できると考えました。

ISO 39001が国際規格になることを知り、すぐに導入を決意しました。今まで自分たちが取り組んできた活動を第三者の目で検証し、強化・改善につなげることができる。非常にメリットが大きいと考えたのです。その背景にはやはり交通安全への強い思いがあります。
またこれまでは、交通安全対策を安全衛生委員会の活動として社内で行っていたわけですが、対外的に「こう取り組んでいる」と明確に示せるものがありませんでした。ISOの認証を取得すれば、対外的に明確な仕組みを持っていることを発信できます。それにより自分たちにプレッシャーをかけ、自社の社会的責任を追求しつつお客さまにも強くアピールできます。事業に密着したこの規格を取り入れれば結果的に、会社のブランド力も高まり、営業を支えるパワーにすることもできると考えました。
適用範囲は本社に直結する第一物流センターとしましたが、仕組みや活動はすべて全社に水平展開するようにしました。

スケジュール
2011年 8月 プロジェクト立ち上げ
9月 初期レビュー
10月 行動計画の策定
文書化
11月 システム立ち上げの確認
2012年 1月 パイロット審査受審(DIS[国際規格原案])
6月 内部監査
マネジメントレビュー
7月 予備審査(FDIS[最終国際規格案])
7~8月 登録審査(FDIS)
9月 認証取得(FDIS)
10月 IS(国際規格)発行に伴う差分審査・認証取得

RTS組織図

ISO 39001の取り組みで苦労したこと、工夫したポイントを挙げてください。

日常活動を全社共通のルールの明確化・一元管理でブラッシュアップし、透明性を高めました。

認証取得のための活動にならないために、日常的に展開してきた安全衛生委員会の活動実態に即した道路交通安全マネジメントシステムづくりに力を注ぎました。そのためにペナルティを科さない事故申告を導入しました。すべての事故の全体像を把握するために、人身事故もミラーで電柱を擦った事故も同じテーブルに載せるようにしたのです。そうして実態を把握した上で今まで継続してきた活動に全社共通のルールを作り、本社ですべて一元管理できるような仕組みにしていきました。たとえばアルコールチェックでは、0以外はすべて酒気帯びと見なして乗務停止になるルールとしました。アルコールチェッカーも全社同じ機種で統一し、結果が即座に営業責任者および本社の管理部門にメールで自動送信されるように設定しています。
従業員の教育についても共通の座学資料を使い、月一回の集合研修を設け、新人の乗務員は必ず参加する制度を整えていきました。また社長の私を含め、経営陣も積極的に追走に参加し、乗務員の運転を体感することなどを通して、経営陣と現場の目線を一致させるように努めました。

従業員に道路交通安全の取り組みを定着させる活動をご紹介ください。

キャンペーン、表彰制度を活用し、取り組み自体をイベント的に盛り上げています。

定期的なドライバーズミーティングの機会をとらえて乗務員に情報を発信するほか、無事故ドライバーやデジタルタコグラフの優良者等を表彰する制度を活用し、ISO 39001の取り組みそのものを、全員が参加する大きなイベントとして盛り上げるようにしています。

ISO 39001導入によって、これまで得た成果をご紹介ください。

件数や費用など、明確な数字で効果が出ています。

代表取締役社長 加藤新一氏(左)と車輌統括部部長 山口嘉公氏 代表取締役社長
加藤 新一氏(左)と
車輌統括部部長
山口 嘉公氏

道路交通安全マネジメントシステムを運用して、多くの効果が生まれ、数字上でも明確な結果が出てきました。事故件数は取り組み以前に比べて半減し、賠償費用や修繕費もピーク時の10分の1まで減っています。費用の減少分は、ドライブレコーダーへ再投資することができました。
ペナルティを科さない事故申告については、今まで表に表れなかった事故も見えるようにしたため、事故件数は大きく増加しましたが、実態をしっかり把握できるので、分析や対策の策定もスムーズに進むようになりました。ペナルティのないことが乗務員の意識の向上にもつながっていると見ています。
またこれまで点だった安全対策がISO 39001の取り組みを通じて一つにつながってきた感触があります。データの面から見ても、事故防止のために細かいデータをいろいろと取っていたのですが、うまく使いこなせていなかった。今回の取り組みで、それらをRTSパフォーマンスファクターに結びつけて、対策や管理に生かせるようになりました。製造業が出発点にあるISO 9001と比較すると、ISO 39001の要求事項は運輸事業の業務に沿ったものですから、わかりやすいですね。
取引先からISO 39001に関する問い合わせもあり、関心の高さにも手ごたえを感じています。

今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

営業活動に好影響が出るように、取り組みを深めていきます。

すでに始めた新たな取り組みとして「無事故キャンペーン」があります。乗務員5人を1チームとして目標を掲げて取り組んでもらうものです。一種の小集団活動ですが、乗務員が現場から自分たちの行動目標を発信するよう促し、同時にリーダー育成も図っています。
また今後はISO 39001認証取得による物流市場へのアピールにも大きな期待をかけています。取り組みをどんどん深めていき、道路交通安全対策のしっかりした事業者という評価を揺るぎないものとし、営業エリアの拡大にもつなげていきたいですね。

名正運輸株式会社の概要

名正運輸株式会社

所在地 愛知県海部郡
設 立 1969年6月
事業内容 一般貨物自動車運送事業、貨物自動車利用運送、産業廃棄物収集運搬事業、3PL事業(物流センターの開発・運営)
ISO 9001、ISO 14001初回登録 2010年10月
ISO 27001初回登録 2011年3月
OHSAS 18001初回登録 2011年9月
プライバシーマーク(JIS Q 15001) 2011年9月
ISO 39001初回登録 2012年10月

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