株式会社損害保険ジャパン様、日本興亜損害保険株式会社様

ISO 39001 認証取得事例 株式会社損害保険ジャパン/日本興亜損害保険株式会社
取り組みで得た経験知を顧客企業、社会に還元し、道路交通安全に貢献したい

株式会社損害保険ジャパン(損保ジャパン)、日本興亜損害保険株式会社(日本興亜損保)はともに総合保険事業を展開するNKSJホールディングス株式会社の傘下に連なる損害保険会社である。2014年に合併を予定する両社は、さまざまな活動を共同で推進しており、今回ISO 39001の取り組みも、パイロット審査の段階から一緒に取り組んだ。自動車保険事業を営む両社は道路交通安全の推進に深く関わり、道路交通安全マネジメントシステムの構築・運用に取り組むことが会社としても、事業の上でも重要なことであった。損保ジャパンの藤田隆志氏、日本興亜損保の米倉世樹氏にISO 39001導入のねらいや効果、今後の展開などを語っていただいた。

(記事中の役職や組織体制はインタビューを行った2012年11月1日時点のものです。)

株式会社損害保険ジャパン 総務部 動産・社有車グループ グループリーダー 藤田隆志氏株式会社損害保険ジャパン
総務部 動産・社有車グループ グループリーダー
藤田 隆志氏

日本興亜損害保険株式会社 総務部 総務管財グループ 課長(グループリーダー) 米倉世樹氏日本興亜損害保険株式会社
総務部 総務管財グループ 課長(グループリーダー)
米倉 世樹氏

Q&A

事業のなかで交通安全の占める位置づけをお聞かせください。

損害保険会社にとって、道路交通安全活動は重要な顧客サービスです。

損害保険会社にとって、自動車保険事業は売上の5割以上を占める一番重要な保険種目になっています。お客さまに任意保険を提供し、もし事故が起きた場合には保険金をお支払いすることが基本ですが、私たちにはもっと大きな使命があると考えています。それは事故を減らし道路交通安全を図ることです。事故が起きてしまうと、お客さまは費用負担ばかりではなく、いろいろなダメージを受け、社会的にも被害がもたらされてしまいます。ですから私たちは、道路交通安全に関わる活動を強く推進し、顧客満足度を高めるとともに、公共的な使命を果たしたいと考えています。(藤田氏)

自動車保険の年間保険料は、事故がなければ割引されますが、事故が起きてしまうと保険料が上がる仕組みです。事故を起こさないことはお客さまにとっても、保険金をお支払いする側の私たちにとってもメリットのあることです。(米倉氏)

これまでの交通安全対策をご紹介ください。

エコ安全ドライブ活動やドライビング診断テストなどを実施してきました。

エコ安全ドライブ運動のステッカー エコ安全ドライブ運動の
ステッカー

NKSJグループでは5年以上前からエコ安全ドライブ運動に力を入れてきました。「スピードを出さない」「エンジンブレーキを活用する」「車間距離は広く取る」「急発進や急ブレーキを避ける」といったエコ安全ドライブの鉄則を守った運転を推進することにより、燃費や事故率、事故件数等を減らし、環境保全と交通事故の少ない社会づくりとを目指してきたのです。これは、グループ内だけではなく、エコ安全ドライブコンテストとして顧客企業にも展開しています。(米倉氏)

NKSJグループに属するリスクマネジメント会社のNKSJリスクマネジメント株式会社のノウハウを活用し、お客さま向けに安全対策を示していく活動も進めてきました。保険に関わる事故の情報を集約し、傾向や注意するポイントをお知らせするサービスのほか、ドライビングを診断する装置を積み込んだ車両を派遣し、ドライバー個人の運転適性診断を行うサービスなどを提供しています。(藤田氏)

ISO 39001認証取得の動機、目的をお聞かせください。

損害保険会社としての使命だと考え、一事業会社としても必要性を感じました。

損保ジャパンの営業車両 損保ジャパンの営業車両

この規格に最初に触れたとき、私たちはさほどインパクトを感じませんでした。自動車輸送にかかわる専門企業向けの規格だろうと思ったのです。しかし、しばらく研究を進めると、決してそのような狭い分野にとどまらないことがわかってきました。道路建設会社や駐車場管理会社のほか、社用で自動車を使う会社を含め、自動車に関わりのある会社はどこでも適用できる。普段取り組む交通安全対策をいろいろな角度から強化できる。損害保険とも深く関わる。まさに自分たちが取り組むべき規格だと見る目が大きく変わりました。ISO 39001を広くお客さま、社会に訴えかけていくことも重要な意義のある事業になると考えました。そのためにも私たちがまず取り組み、経験を積むことが不可欠だと判断しました。(藤田氏)

数千台もの自動車を使う事業会社の立場からも非常に有意義なことだと、必要性を感じました。PDCAサイクルを適正に回し、外部審査を経ることにより、道路交通安全対策を一時的な取り組みに終わらせず、よりよいものへ改善できます。常に時代に即した取り組みを維持できるわけです。道路交通安全マネジメントシステムの対象は社有車やリース車で、それらを管理する2社の総務部同士が連携して取り組みを進めました。(米倉氏)

スケジュール
2011年 10月 プロジェクト立ち上げ
2012年 1月 初期レビュー
文書化
パイロット審査受審(DIS[国際規格原案])
5月 内部監査
6月 マネジメントレビュー
7月~8月 登録審査(FDIS[最終国際規格案])
9月 認証取得(FDIS)
10月 IS[国際規格]発行に伴う差分審査・認証取得

RTS組織図(損保ジャパン・興亜損保)

ISO 39001の取り組みで苦労したこと、工夫したポイントを挙げてください。

前例のない規格に2社でアイデアを出し合ってチャレンジしました。

これまで継続してきたエコ安全ドライブ運動などをベースに取り組みを進めました。前例もなく日本語の参考文献もありませんから、当初は英文資料の解釈にも戸惑いました。主旨を考えながら自分たちの状況に当てはめるため、苦労しました。2社でアイデアを持ち寄ることができるメリットを活かし、実効性のあるマネジメントシステムを追求していきました。(藤田氏)

PDCAのうち、弱かったCA部分の強化を図りました。

マネジメントシステムのポイントになるPDCAを回すところでは、特にC(点検・評価)とA(処置・改善)が弱いことに気づき、積極的な強化を図りました。(米倉氏)

たとえばエコ安全ドライブの検証のためには、分析装置をたくさん導入するなどコストをかければできることでも、実際にはそこまでかけられません。そういう現実的な制約のなかで自分たちは何をできるのか。サンプリングに工夫を施すなど知恵を絞りました。(藤田氏)

また過去に不定期で実施していた運転者に対するヒアリングは定期的にしました。こうした従来取り組んできた活動をより体系化することにより、標準化の道筋をつけ、同じ手順で評価が実施される仕組みを確立していきました。(藤田氏)

コンサルティング会社は導入しましたか?

グループのNKSJリスクマネジメントに協力してもらいました。

コンサルティング会社としてNKSJリスクマネジメントにも入ってもらい、多様なアドバイスを受けました。資料がないなかでの用語の理解を助けてもらいました。また深い事故分析を行っていますから、そういう機能をもとにCA部分をいかに強化するかというテーマでも、実効性のある意見を出してもらいました。(米倉氏)

ISO 39001導入によって、これまで得た成果をご紹介ください。

サービスへの自信、改善への道筋…「いいことずくめ」の活動になっています。

損保ジャパン 総務部 動産・社有車グループ グループリーダー 藤田隆志氏(左)と日本興亜損保 総務部 総務管財グループ 課長(グループリーダー) 米倉世樹氏 損保ジャパン 総務部
動産・社有車グループ
グループリーダー
藤田 隆志氏(左)と
日本興亜損保 総務部
総務管財グループ
課長(グループリーダー)
米倉 世樹氏

2社で進めるエコ安全ドライブなどの道路交通安全に関する取り組み全体が、客観的に審査を受け認証されたことで、顧客に対し自信を持ってサービスを提供することができるようになりました。また定期的に外部審査を受けることで、マネジメントシステムを陳腐化させることなく改善でき、その成果をまた顧客にフィードバックできる。「いいことずくめ」ですね。(米倉氏)

事業に密着したマネジメントシステムとして、身近に取り組めています。洗い出しの手法も含めて、交通リスクに関連するサービスの充実にも非常に参考になりました。道路交通安全が総務部だけの活動にとどまらず、全社で意識の共有が図られつつあり、しっかりと浸透してきました。認証を得た会社の社員としての自覚も促されています。(藤田氏)

今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

ISO 39001を顧客サービスに広げ、幅広く道路交通安全に貢献していきます。

今は社内の活動を対象としていますが、ISO 39001の適用範囲を、お客さまに展開する道路交通安全関連のサービスにまで広げていく構想を持っています。さらに損害保険会社の立場からISO 39001の浸透を図り、普及に力を添えて道路交通安全に幅広く貢献したいと考えています。(藤田氏)

道路交通安全方針(損保ジャパン)

損保ジャパンは、保険、金融事業の社会的責任と公共的使命を認識し、透明性の高いガバナンス態勢の構築とリスク管理、コンプライアンスの実効性確保を事業展開の大前提として、持続的な成長を目指し、さまざまな取り組みを進めています。
この一環として、当社の企業活動にともなって発生する各種の移動や輸送面の道路交通安全リスクを軽減する活動に積極的に取り組み、安全・安心で持続可能な社会の実現に努めていきます。

  1. 移動や輸送の安全を確保するために、道路交通安全に関する目的及び目標を設定のうえ、具体的な改善策を策定し推進します。
  2. PDCAの枠組みにより道路交通安全に関する改善策の有効性のチェックと改善を確実に展開していきます。
  3. 道路交通安全に関する法規制や社内外の安全に関する要求事項を順守します。
  4. 道路交通安全を継続的に取り組むために、取り組み体制、取り組みの仕組み及び手順を確立します。
  5. この道路交通安全方針を当社の従業員及び関係会社で働く人々のみならず、広く社会に公開し周知します。

道路交通安全方針(日本興亜損保)

日本興亜損保は、保険、金融事業の社会的責任と公共的使命を認識し、透明性の高いガバナンス態勢の構築とリスク管理、コンプライアンスの実効性確保を事業展開の大前提として、持続的な成長を目指し、さまざまな取組を進めています。
この一環として、当社の企業活動にともなって発生する各種の移動や輸送面の道路交通安全リスクを軽減する活動に積極的に取り組み、安全・安心で持続可能な社会の実現に努めていきます。

  1. 移動や輸送の安全を確保するために、道路交通安全に関する目的及び目標を設定のうえ、具体的な改善策を策定し推進します。
  2. PDCAの枠組みにより道路交通安全に関する改善策の有効性のチェックと改善を確実に展開していきます。
  3. 道路交通安全に関する法規制や社内外の安全に関する要求事項を順守します。
  4. 道路交通安全を継続的に取り組むために、取組体制、取組の仕組み及び手順を確立します。
  5. この道路交通安全方針を当社の従業員及び関係会社で働く人々のみならず、広く社会に公開し周知します。

株式会社損害保険ジャパンの概要

所在地 東京都新宿区
創 業 1888年
事業内容 損害保険事業、他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行、債務の保証、確定拠出年金事業、自動車損害賠償保障事業委託業務 ほか
ISO 39001初回登録 2012年10月

日本興亜損害保険株式会社の概要

所在地 東京都千代田区
創 業 1892年
事業内容 損害保険事業、他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行、債務の保証、確定拠出年金事業、自動車損害賠償保障事業委託業務 ほか
ISO 39001初回登録 2012年10月

ISO認証事例一覧トップへ戻る

お客さまの活用事例

ページの先頭へ