住友三井オートサービス株式会社様

ISO 39001 認証取得事例 住友三井オートサービス株式会社
交通事故削減の専門企業”として、自社社用車とお客さまの交通事故ゼロを目指す

常務執行役員 本社部門副担当役員(人事部 総務部) 人事部長 小川誠司氏 常務執行役員
本社部門副担当役員(人事部 総務部)
人事部長 小川 誠司氏

住友三井オートサービスは、各種自動車のリース事業および総合管理事業を全国で展開している。製薬業界、飲料業界などを中心にサービスを提供し、国内トップクラスの保有台数を誇る同社は、自社社用車とお客さまの交通事故ゼロに向けてISO 39001認証を取得した。その導入の経緯や効用についてうかがった。

Q&A

事業における交通安全の位置づけや、これまでの活動についてお聞かせください。

企業使命として、お客さまに全国規模のサポートを展開してきました。

RMS部 大阪グループ 部長付 望月章氏 RMS部 大阪グループ
部長付 望月 章氏

小川
交通安全は当社の事業の大きな柱であり、単に車をリースするだけではなく、お客さまの運行時の事故削減にご協力することは私たちの使命です。そのために口だけでなく体も頭も動かし、2012年度は、700回を超える安全運転講習会、往訪コンサルなどのサポートを行いました。また、当社の社用車約240台についても、事故分析や、再発防止のための啓蒙活動、事故予防のための実車研修などを実施してきました。

望月
お客さまへの特徴的なサービスとして、当社と提携している自動車教習所で実車研修を実施していただくシステムを構築しています。各教習所で同じプログラムを実施していただく体制をつくりましたので、どこで受講いただいても、同じ基準の評価を受けられます。2011年度は、約4,000名のお客さまにご利用いただきました。また、安全講習会についても20年以上の実績があり、全国どの地域でも実施できることが当社の強みです。

ISO 39001認証取得の目的についてお聞かせください。

まず自社に導入し、お客さまへの提案の中身を深めようと考えました。

小川
我々自身が使っている社用車にISO 39001を導入し、自らがモデルになって提案することで、自信をもってお客さまにサジェスチョンできると考えました。お客さまの事故の削減につながるサービスをご提案する一方で、自身が認証を取得することで、さらに提案の中身を深めていこうと考えたのです。

ISO 39001認証取得までの流れをお聞かせください。

トップのリーダーシップのもと、短期間でシステム構築を行うことができました。

望月
ISO 39001については、2011年の秋、従前からつながりのあった独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)を通じて知りました。コンサルティングはNASVAから受け、英文の規格の翻訳も含めて、さまざまな情報をいただきました。

小川
ISO 39001を活用して、お客さまに事故削減の提案をしていこうということで、導入に対しては何の抵抗もありませんでした。「我々は“交通事故削減の専門企業”なのだから認証を取得しよう」という社長の強い意思表示があったことも大きいと思います。2011年11月から検討を開始し、2012年1月にパイロット審査を受審、7月にはDIS(国際規格原案)段階での予備審査を受審、続いて7月から8月にかけてFDIS(最終国際規格案)段階での登録審査を受け、9月に登録証の発行を受けました。さらに2012年10月にIS(国際規格)が正式発行された段階で差分の審査を受け、改めて認証を取得しました。事務局はRMS部2名、総務部2名の合計4名です。

望月
導入検討からパイロット審査までの約3カ月で、集中して体制構築に取り組みました。道路交通安全については、当然、社内規定をつくって運用していましたが、それをISO 39001規格に合わせてマニュアルに落とし込んでいく作業が大変でした。当社は、ISO 14001とISO 9001の認証も取得していますので、それも参考にしています。認証取得範囲は、東京・大阪で実際にお客さまのところへ伺う営業の部隊、社用車の運行を管理する部門、そして事故対応を行う事故サポートセンターの計286名を対象としました。

スケジュール
2011年 11月 プロジェクト立ち上げ
11~12月 初期レビュー、行動計画の策定
文書化、システム立ち上げの確認など
2012年 1月 パイロット審査受審
7月 内部監査、マネジメントレビュー
DIS(国際規格原案)段階での予備審査
7~8月 FDIS(最終国際規格案)段階での登録審査
9月 FDIS(最終国際規格案)段階での認証取得
10月 IS(国際規格)発行に伴う差分審査・認証取得

管理体制図

※組織体制はインタビューを行った2013年1月16日時点のものであり、2013年10月現在では、関連事業所を全国に拡大し活動中。

構築されたISO 39001マネジメントシステムの内容をお聞かせください。特に、工夫された点や、ご苦労された点がありましたら合わせてお聞かせください。

それまで継続的に取り組んできたことを、極力ISO 39001マネジメントシステムにのせることに注力しました。

RMS部 アドバイザー 加戸浩二氏 RMS部 アドバイザー
加戸 浩二氏

望月
たとえば私たちの社用車には「Dr. ADVICE」(2012年12月より最新モデル「SMART DRIVE(スマートドライブ)」に切り替え中)という機器を搭載しています。これは急ブレーキ・急発進などによってGがかかると警報を出したり、「長時間運転していますから休憩しましょう」などと音声で知らせたりする機能を備えています。また、前を走る車との距離が短くなると警報を出して衝突を防止する「Mobileye(モービルアイ)」という装置も取り付けています。こういったものを入れ込みながら、システムを構築しようという考えで取り組んできました。

小川
これらは両方とも、お客さまにも提供している商品です。

加戸
当社は、事故分析やリスク分析の経験が豊富であるという強みがあります。一方、ISO 39001もリスク分析を基礎として、具体的な対策を要求している規格なので、当社に馴染みやすかったのです。お客さまのサービスの一環として事故分析なども行っていますから、なぜ、その装置が必要なのかをきちんと説明し、提案を具体的に裏付けることも可能になりました。

RTS方針、RTS目的、RTS目標の内容や、具体的な施策についてお聞かせください。

道路交通安全に、常に意識が向くように工夫をしています。

小川
RTS方針のもと、事故撲滅や教育徹底を目的に、有責事故率や駐車場での事故の削減目標を定めています。また、「住友三井オートサービス 安全運転コミットメント」では、当社の社員が安全のために行うルールを明確にしています。活動結果は、毎月掲示しますので、今月はどこの部が多い、少ないといったことは、すぐに分かります。各部門で競うことにもつながります。

望月
RTS方針や安全運転コミットメントを社内掲示していることに加え、当社では、各部門の部長をRTS管理責任者とし、その下に次席クラスをRTSリーダーとして置くことで、徹底すべき事柄などを確実に共有できる体制をとっています。また、ISO 39001の規格導入に伴い、事故分析をもとにPDCAを回す必要がありますので、事故報告の書式にも変更を加え、規定の変更の必要性などについて判断する欄を設けました。

住友三井オートサービスRTS方針

住友三井オートサービス株式会社は、以下の基本理念、基本方針に基づき、道路交通安全(RTS)活動を継続的に実施する。

I. 基本理念

住友三井オートサービス株式会社は、世界中で、交通事故により毎年多数の死亡者、負傷者が発生し、この数が増加していることを深刻な問題であると認識し、交通事故削減の専門企業として、国内外の交通事故における「死亡者及び重傷者の撲滅」の実現に向け努力する。

II. 基本方針

住友三井オートサービス株式会社は、さまざまな事業活動を行うにあたり、以下の方針に従い、基本理念の実現に努める。

  1. RTSに対する基本姿勢
    良き企業市民として、当社の行動指針に沿い、RTSに十分配慮した活動を行う。
  2. RTS関連法規の順守
    国内外のRTS関連法規を順守する。
  3. RTS関連事業の推進
    交通事故削減の専門企業として、RTS向上に資する商品・サ-ビスを提供し、事故削減に貢献する。
  4. RTS管理の確立
    RTSマネジメントシステムを活用して、RTS目的・目標を設定、定期的な見直しを行い、その継続的改善を図りつつ、RTSの確保に努める。
  5. RTS方針の周知と開示
    このRTS方針は、当社で働くすべての人に周知するとともに、広く開示する。

2013年6月28日
住友三井オートサービス株式会社
取締役社長 土井 雅行

住友三井オートサービス社員安全運転コミットメント(SMAS) 住友三井オートサービス社員安全運転コミットメント(SMAS)

現時点でISO 39001導入による効果がありましたらお聞かせください。

責任者と現場のレスポンスが速くなり、これを続けると確実に事故が減るという手応えを感じています。

社員が携帯する道路交通安全(RTS)方針のカード 社員が携帯する道路交通
安全(RTS)方針のカード

加戸
ISO 39001は、具体的な事故削減の活動を要求しています。形だけ認証を取得して、実際にはシステムが動かなくて失敗するというケースがあると思いますが、事故削減は、口だけでなく実際に行動しないと効果が現れません。例えば降雪直後の対応で、責任者のレスポンスが速くなり、社員もその重要性を理解して行動しているという実感がありました。まだ数字には現れていませんが、確実に事故が減っていくという手応えを感じています。

望月
これまでもお客さまに対しては、車載機の貸出しや、事故データの分析をはじめ、お客さまとプロジェクトをつくり数カ月かけてPDCAを回す仕組みを構築するなど、多様なサービスを提供してきました。さらに今回、ISO 39001認証取得をしたことにより、道路交通安全マネジメントシステムを構築しませんか、というメニューが加わりました。これは自社の知見として伝えることができるので、非常に強力です。

ISO 39001を今後の事業にどのように活用されていきますか。今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

事故撲滅に向けて、PDCAを回すことの重要性をお客さまに伝えていきます。

小川 お客さまからは、自分たちもISO 39001の認証を取得したいのでサポートしてほしいという案件もいくつか出てきています。こちらとしては願ってもないことです。私たちのリースサービスよりも、事故削減に対するサポートの方が大事だと言い切るお客さまもいらっしゃるくらいですから、期待は非常に大きいと感じています。

加戸
事故対策は、処方箋にばかり目が向きがちですが、PDCAサイクルを回すことの大切さは我々の体験からも説明できますし、お客さまに興味を持ってもらうために非常に良い知見を得たと考えています。ただし、こういった規格の導入は、トップマネジメントが理解を示さないと絶対にできないと思います。結局、お客さまのトップに提案するための動きを、どこまで当社ができるかというところにかかっていると思います。

住友三井オートサービス株式会社の概要

所在地 本社 東京都新宿区西新宿
設 立 1981年2月
事業内容
  • 各種自動車・車両のリース・割賦販売、
  • 各種自動車・車両の整備修理、検査、点検に関する業務
  • 中古の自動車・車両の売買
  • 金融業務
ISO 14001初回登録 2003年8月
ISO 9001初回登録 2006年4月
ISO 39001初回登録 2012年10月

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