日本GE株式会社様

ISO 39001 認証取得事例 日本GE株式会社GEキャピタル
ISO 39001で会社の健全性を高め、お客さまサービスの強化につなげる

社長兼最高経営責任者(CEO) 安渕聖司氏 社長兼最高経営責任者(CEO)
安渕 聖司氏

GEキャピタルは米ゼネラル・エレクトリックの金融部門。世界中の個人および法人顧客を対象とした金融事業を手がけ、日本では、設備・資産リース、自動車リースおよび車両管理、法人向け融資、動産担保融資、不動産向け投融資、個人向け金融などの金融サービスを提供している。同社は、自社の社有車の道路交通安全と、お客さまへ提供するフリートサービスの強化という2つの視点からISO 39001認証を取得した。その目的と効用について、社長兼最高経営責任者(CEO)の安渕聖司氏にうかがった。

 (記事中の役職や組織体制はインタビューを行った2013年1月16日時点のものです。)

Q&A

事業における道路交通安全の占める位置づけをお聞かせください。

道路交通安全は、お客さまにとっても、私たちにとっても大きな関心事です。

事故にはいくつかの側面があります。まず第一に私たちが提供する車の多くは商用車、つまり会社の看板を背負った車ですから、乱暴な運転をしただけでもクレームが来ることもあります。事故を起こすことは会社のコンプライアンス、社会的責任上も大きな問題です。2つ目に、社員の安全・健康という側面があります。その社員の方が、なぜ事故を起こしたか、たとえばスケジュールが詰まっていて急いでいた、前の日に準備の時間が取れなかった、そうすると過密スケジュールになっている可能性が考えられます。事故の原因から社員の健康状態や労務の状況を見ることができます。3番目はコストの問題です。事故を起こすと修理代もかかりますし、車を一定期間使えなくなり、車の保険料も上がります。私たちはフリートサービスの専門家として、数千台の車を運用されているお客さまから小口のリースまで、幅広いお客さまと長期的な信頼関係を築くことでビジネスを展開しています。道路交通安全は、お客さまにとっても、私たちにとっても大きな関心事なのです。

これまでの道路交通安全対策はどのようなものでしょうか。

シックスシグマの管理手法を使って、行動を変える提案を行ってきました。

シックスシグマは製造業における品質管理手法ですが、GEでは、これを非製造業の業務プロセスにも適用し、事務改善や効率改善を行っています。私たちは、ISO 39001認証取得以前も、シックスシグマの手法を使って、自社の社有車の事故削減はもちろん、お客さまの事故削減向けた提案を行ってきました。
急いだり、焦ったり、ということが事故につながります。ですから、車で出かける日は30分早く出社してしっかり準備をしましょう、安全運転のステッカーを確認しましょう、そういった行動のなかに改善を入れて繰り返していくことで人は変わります。口で言うだけでなく、行動を変えていくことが重要です。始末書を書くだけでは駄目で、事故レポートをしっかりつくったうえで上司と面談する、こういった行動が大きな違いになってくるのです。

ISO 39001認証取得の目的についてお聞かせください。

お客さまに道路交通安全のノウハウを提供したいと考えました。

私たちは非常に多くの車のリース・車両管理をしています。私たち自身の社有車の事故削減も重要ですが、これは少数に過ぎません。ISO 39001認証取得によって得られる道路交通安全のノウハウを、多数を占めるお客さまの車両に提供することで、お客さまの問題解決に役立つと考えました。
私どもは名刺に「ISO 39001認証取得」と入れ、お客さまとの名刺交換の際に、「新たに取得した道路交通安全の国際規格です」と紹介しています。特にトップマネジメントの方の関心は高く、もう少し詳しく知りたいという方には、私どもの担当がうかがってお話をさせていただいたり、具体的な提案を差し上げたりしています。

ISO 39001認証取得までの流れを教えてください。

認証取得の目的を明らかにし、外向け・内向けの2つの視点で推進しました。

まず、何の目的で取得するのか、会社としてどういうことをしようしているのかを明確にするためにプロジェクトを組みました。フリートビジネスを行っている会社として、ISO 39001認証を取得することで、どういったビジネスの強みが得られるのか、お客さまにどういうサービスを提供できるかを明確にしました。一方、自社の従業員を守り、満足度を高めるためにも必要で、事故が減ることで会社の健全性が高まることも明確になりました。
お客さまに対する「外向けの視点」と、社内に対する「内向けの視点」、両方の視点で認証取得を進めるに当たり、社内で車両を管理している総務部、お客さまにサービス提供するセールス、交通事故が起きたときに対処するメンテナンスのチーム、そしてカスタマーサポートのチームからメンバーを拠出してもらい、合計7名のプロジェクトチームを組み、さらに外部のコンサルタントの助言をいただきながらマネジメントシステムの構築を進めました。
プロジェクトチームの立ち上げは2012年4月で、5月から7月にかけてマニュアルなどの文書作成を行い、8月にシステムの運用を開始しました。マニュアルを策定するなかで、なるほどと思ったのは、トップマネジメントのコミットメントの項目でした。会社の戦略と道路交通安全方針を両立させることをはじめ、必要なリソースを道路交通安全のためにコミットすること、継続的な改善を行っていくことなどが明文化されており、我々としても学びがありました。2012年10月には認証を取得しましたが、「外向け」「内向け」の2つの目的を満たすことが重要であるということをプロジェクトメンバーの全員が共有することで、最短で認証を取得するというモチベーションにつながったと考えています。

スケジュール
2012年 4月 ISO事務局立ち上げ
5月 事故発生状況(3年度分)及び車両管理体制の確認
6月 道路交通安全方針の策定
行動計画の策定
6~7月 文書作成
8月 仕組みが稼動しているかの確認
ファーストステージ審査
9月 内部監査の一部実施
マネジメントレビュー
セカンドステージ審査
10月 認証・登録証の発行
構築されたISO 39001マネジメントシステムの内容をお聞かせください。

「小さく生んで大きく育てる」というコンセプトでシステムを構築しました。

ISO 39001認証の適用人数は20名で、このなかにお客さまの事故削減に貢献する社員をサポートするメンバーと、自社の事故削減を促進するメンバーを含んでいます。フリートサービスに関わる社員は数百名いますが、まずはノウハウの取得と運用に向けて「小さく生んで大きく育てよう」と考えました。

道路交通安全マネジメントシステム組織図

ビジネスプロセスと適用範囲 ビジネスプロセスと適用範囲

RTS方針、RTS目標、RTS詳細目標をお聞かせください。

社内に向けては事故率の削減とエコドライブの推進を目標にしています。

道路交通安全方針のもと、社有車の死亡事故ゼロを目標に、2013年は、事故率を12%から11%に下げることを詳細目標にしています。また、エコ安全ドライブの展開に向けて、燃費の現状把握も行っていきます。一方、しかるべきお客さまに対しては、安全運転講習会のご案内を行うなど、事故削減に向けたサービスの提供に注力していきます。

道路交通安全方針

基本理念
日本GE株式会社GEキャピタルはお客様から最も選ばれる専門性の高い金融サービス会社になることを目指しており、常に揺るぎないインテグリティーとコンプライアンスの実効性確保を前提として、様々な取り組みを進めています。この一環として、当社の企業活動に伴い発生する移動時の道路交通安全リスクを軽減する活動に積極的に取り組みます。

行動指針

  1. 道路交通安全に関する法的要求事項を順守します。
  2. 道路交通安全に関する目標及び詳細目標を設定のうえ、具体的な改善策を策定し推進します。
  3. PDCAの枠組みにより改善策の有効性のチェックと改善を確実に継続的に展開します。
  4. セーフティマネジメント力の向上に努め、お客様の道路交通安全を支援します。
  5. この道路交通安全方針を当社の従業員に周知するとともに、広く社会に公開します。

RTS活動実施計画書RTS活動実施計画書

RTS詳細目標を達成するための具体的な施策をご紹介ください。

社員の意識と行動を変えていきます。

クオリティ&ソーシング本部 本部長 武川浩巳氏(RTS管理責任者) クオリティ&ソーシング本部
本部長 武川 浩巳氏
(RTS管理責任者)

社有車利用者に対する交通安全講習の実施をはじめ、エコ安全ドライブ5か条のステッカーの掲示や、急ブレーキ・急発信などの挙動や運行ルートを記録・解析できるテレマティックスの導入を行っています。さらに全社員ミーティングやイントラネットで、トップからのメッセージを発信し、ISO 39001の認証取得の目的や、道路交通安全方針の内容、今後の取り組みなどについて、全社員に周知徹底しています。

現時点でISO 39001導入による効果がありましたらお聞かせください。

より信頼性の高い提案ができるようになると考えています。

フリートサービス営業統括本部<br>営業企画本部長 篠田辰伸氏 フリートサービス営業統括本部
営業企画本部長 篠田 辰伸氏

具体的な効果が現れるのはこれからだと思いますが、ISO 39001の認証取得以降は、お客さまに具体的にお見せできる資料ができましたので、「体系的な資料」や「具体的なルール」とはどういうものか、「トップマネジメントのコミットメント」とはどういうことを指しているのか、などを具体的に説明できるようになりました。これまで経験をもとに改善提案を行っていましたが、認証取得により、理論に裏付けられ体系立った、より信頼性の高い提案が可能になると考えています。

ISO 39001を今後の事業にどのように活用されていきますか。今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

お客さまのISO 39001認証取得にも貢献していきます。

私どもの経験則に加え、ISO 39001認証取得で得たノウハウをもとに、お客さまに道路交通安全の提案をしていきます。また、ISO 39001認証を取得したいというお客さまに対しても、認証取得のプロセス面でのアドバイスなどを通じてサポートしていきたいと考えています。

日本GE株式会社GEキャピタルの概要

所在地 本社 東京都港区赤坂
設 立 1999年9月
事業内容 設備・資産リース、自動車リースおよび車両管理、法人向け融資、動産担保融資、不動産向け投融資、個人向け金融など
ISO 39001初回登録 2012年10月

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