広島トヨタ自動車株式会社様

自動車の販売、整備に携わるディーラーとして、率先して交通安全活動に取り組む

代表取締役社長 藤井 一裕氏 代表取締役社長 藤井 一裕氏

広島県全域を営業エリアとするカーディーラーである広島トヨタ自動車株式会社は、自動車販売と整備および周辺業務、保険、用品、IT機器の扱いなど、道路交通安全に密接なかかわりのある事業を行っている。代表取締役社長の藤井 一裕氏に、交通安全への思いとISO 39001導入のねらい、取り組みの状況、今後の展開などについてうかがった。

Q&A

会社として道路交通安全に対する考え方をお聞かせください。

自動車の販売に携わる企業として、お客さまや社会からの信頼を得るための最優先のテーマです。

当社は、自動車の販売、整備に携わるものとして車に乗らないことはできません。まず、このように自動車に強いかかわりをもつ企業が自ら交通事故の発生源となってはいけないという思いがあります。また、地域社会の一員として交通安全に熱心に取り組まない企業は、つまるところ、お客さまの真の信頼は得られないということを確信しています。このような思いは、社員に一度伝えればそれでよいということはなく、毎日毎日繰り返し伝えて、社員の頭の中から消えることがないようにしなければなりません。したがって交通安全の活動は、決して終わりのない活動であり、私どもの企業活動の大切な一部だと考えて取り組んでおります。

これまでの交通安全対策はどのようなものでしょうか?

交通安全に関する諸団体と連携して、幅広い活動を進めてきました。

交通事故や違反をなくすために、会社独自に進めてきた取り組みに加え、安全運転管理協議会や交通安全協会といった交通安全に関する諸団体と連携して、さまざまな安全活動を進めてきました。安全運転管理協議会については、当社に広島中央地区の協議会事務局が置かれておりますが、当社もその一員として、社内に安全運転管理者を置き事故や違反に対する指導や講習を行っているほか、運転適性検査指導者を養成して社員の適性検査を実施するなどの活動を行っています。また、広島県交通安全協会が中心となって実施している「トライ・ザ・セーフティ」キャンペーンにも2006年から毎年参加しています。5人1チームで無事故・無違反150日にチャレンジするもので、現在は全社員が参加しています。

ISO 39001の認証取得のきっかけ、ねらいをお聞かせください。

道路交通安全の取り組みを自律的に高めていく上で有効な手段と考え、導入に踏み切りました。

ISO 39001については、日頃お世話になっている損害保険会社から紹介を受けました。早速調べてみたところ、この規格の考え方はこれまで取り組んできた交通安全活動と合致するものだとわかりました。また、道路交通安全について目標・詳細目標を設定し手順と仕組みを作った上で改善を推進すること、外部機関の審査により課題が明確にできることなどが、これまでの活動を高めていく上で非常に有効だと思いました。特に、ISOの精神である自律、自助の考え方は、交通安全の活動を行う上で最も大切なことだと考え、導入を決断しました。

交通安全運動の掲示
マネジメントシステムの構築・運営体制をご紹介ください。

コンプライアンス監査部と保険部を登録範囲とし、全社の道路交通安全を推進する体制を作りました。

認証の登録範囲を「コンプライアンス監査部および保険部における社用車の交通安全運転管理のプロセス」としました。道路交通安全の基本となる交通法規やルール順守について管掌するコンプライアンス監査部と交通事故情報の集まる保険部という両部門を核として、全社的な交通安全を推進する仕組みを構築することとしたものです。

運用に関しては、社員の交通事故、交通違反ゼロを目標に、事故や違反があった場合にはすぐに報告し、その原因を分析、改善していく取り組みを進めていくこととしました。例えば、事故報告では、従来は事故の状況報告が主体であったのに対し、現在は事故の原因と再発予防策まで詳細に記入できるよう書式を改めました。報告経路も役割と権限に沿ったものとし、責任者は予防処置が有効なものであったかを追跡、検証するようにしました。

外部のコンサルティング会社は導入しましたか?

損害保険系のコンサルティング会社と毎月1回のペースでミーティングを実施しました。

マネジメントシステムの構築に際しては、損害保険系のコンサルタントにコンサルティングを依頼し、内部監査まで毎月1回、計7回にわたりミーティングを実施しました。まず、リスクの洗い出しのため、最も詳細・確実なデータとして過去5年間の社有車の保険事故の内容を傾向分析するところから着手し、交通事故の削減対象範囲やパフォーマンス・ファクターの特定、マニュアルの策定などについてアドバイスを受けながら仕組みを作っていきました。

認証までのスケジュール
2012年 7月 キックオフ
9月~2013年3月 マネジメントシステム準備期間
2013年 4月 運用開始
4月 ファーストステージ審査
4月 内部監査
5月 マネジメントレビュー
6月 セカンドステージ審査
6月 認証・登録証の発行
ISO 39001マネジメントシステムの構築にあたり、特に工夫された点や、ご苦労された点がありましたらお聞かせください。

社員が仕事で使用する自動車すべてを「社用車」と定義し、交通事故削減の対象としています。

当社が他の企業と違うのは、業務上で自動車を運転する形態として、さまざまなケースがあることです。つまり、当社の社有車で営業することに加え、社員の個人の自動車を営業活動や通勤に使用するケース、さらにはお客さまの自動車やレンタカーを運転するケースと、大きくわけて3つのパターンがあるのです。このため、社員の交通事故ゼロ、違反ゼロを目標とする活動を、どこまで対象とするかが議論となりました。結局、社員が業務や通勤で乗る自動車は誰の所有であるかにかかわらず、すべてを「社用車」と定義づけ、事故削減の対象とすることにしました。一方、交通違反ゼロについては、業務・プライベートに関係なく、すべてを対象とすることにしています。

RTS方針

広島トヨタ自動車株式会社は、事業の社会的責任と公共的使命を認識し、お客様に必要とされ、社会に必要とされる企業であり続けるために、「安全・安心」こそ最良の販売店品質をモットーとし、公害予防・環境保全の活動をはじめとしてさまざまな取り組みを進めています。
この一環として、当社の企業活動にともなって発生する各種の道路交通安全リスクを軽減する活動に積極的に取り組み、法令はもちろん、常に安全を最優先に考え、また環境対策、労働環境の対策など、持続可能となる安全・安心な社会の実現と、事故・違反の防止に努めます。

  1. 安全・安心なカーライフをお客様に提供し、社員自ら模範となるために、道路交通安全に関する目標及び詳細目標を設定のうえ、具体的な改善策を策定し推進します。
  2. PDCAの枠組みにより道路交通安全に関する改善策の有効性のチェックと改善を確実に展開していきます。
  3. 道路交通安全に関する法規制や社内外の安全に関する要求事項を順守します。
  4. 道路交通安全を継続的に取り組むために、取り組み体制、取り組みの仕組み及び手順を確立します。
  5. このRTS方針を当社の従業員及び関係会社で働く人々のみならず、広く社会に公開し周知します。

藤井一裕
平成25年3月1日 広島トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長

RTS目標

2013~2015年度において死亡事故ゼロを継続する

RTS詳細目標

コンプライアンス監査部

  • 2013年度 2013年度の交通違反件数を2012年比で10%削減する(2012年91件 目標82件)
  • 2014年度 2013年度の交通違反件数を2012年比で15%削減する(〃 目標78件)
  • 2015年度 2013年度の交通違反件数を2012年比で20%削減する(〃 目標73件)

保険部

  • 2013年度 安全運転管理規程に沿って2013年度の交通事故件数を100%収集する
  • 2014年度 2014年度の交通事故件数を2013年度比で5%削減する
  • 2015年度 2015年度の交通事故件数を2013年度比で10%削減する
従業員に道路交通安全の取り組みを定着させる活動をご紹介ください。

これまでの交通安全活動を活かし、PDCAが回る仕組みに変えていきました。

ISO 39001の取り組みを始めるにあたり、社用車の事故のすべてを削減対象とすることを宣言しましたが、同時に事故・違反については報告の範囲を全数にすることを改めて通達しました。どんなに小さな事故・違反であっても、すべてをすぐに報告するのでなければ原因の分析も改善もままならないからです。一方当社では、前にも述べたように「トライ・ザ・セーフティ」キャンペーンに全社員が参加していますが、そこで交付される1年分の運転記録証明を会社に提出するようにしています。仮に事故や違反を隠そうとしても、いずれはその状況が会社にわかってしまうということもあって、事故・違反をすみやかに報告する習慣が浸透してきました。成績優秀なチームには会社から賞金も支給されますし、取り組みが5人1組ですから、他のメンバーに迷惑をかけられないということで、安全運転への意識も高まってきていると思います。

ISO 39001導入によって、これまで得た成果をご紹介ください。

事故や違反をすぐに報告し、原因を分析して予防・改善につなげるという意識が定着してきました。

これまで、社員が事故や違反をしたら即座に報告するという企業風土を作るのに苦労していましたが、ISOに取り組むことでそれがいかに大事なことかがわかってきたと思います。結果的に、事故報告を素早く丁寧にする習慣が定着してきました。

また、事故や違反の削減に自発的に取り組もうという意識も高まっています。例えば、違反者が続いた店の店長から交通安全の講習会を開いてほしいという申し出があったり、事故や違反についての掲示物や朝礼での注意喚起などが、本社からの指示がなくても自発的に行われるようになってきました。もちろん、こうした活動はこれまでも全くやっていなかったわけではありませんでしたので、飛躍的に変わったということではありませんが、交通安全への意識が着実に根付いているという印象があります。

今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

私たちの交通安全活動が地域社会にも貢献できるよう、引き続き真摯に取り組んでいきたいと考えています。

実際の運用を開始してまだ日が浅く、このたびの認証取得はスタートラインに立ったものだと考えています。今後は、詳細目標の設定内容や測定項目、予防措置の内容などをより精緻なものとしていくとともに、登録範囲を現場に広げることも含めて交通安全活動のレベルアップを図っていきます。

私は、当社のお客さまに安全・安心なカーライフを提供するためには、まず当社自身が道路交通安全に力を入れなければならないと言い続けてきました。このたび、国際規格の認証を取得した企業の一員となることで、社員一人ひとりが交通安全について模範となるような行動をしてくれると思います。これからも車を取り扱う者として、交通安全について私たちに何ができるのかを、そして地域社会にどう貢献していくのかについて考え、プライドをもって真摯に取り組んでいきたいと思います。

左から常務取締役 総務本部長 西川 一成氏、コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 ISOグループ 課長 古沢 誠氏、総務人事統括部長 兼 コンプライアンス監査部長 矢田 正治氏、コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 ISOグループ 課長代理 村中 就裕氏、コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 室長 小田 広昭氏左から常務取締役 総務本部長 西川 一成氏、
コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 ISOグループ 課長 古沢 誠氏、
総務人事統括部長 兼 コンプライアンス監査部長 矢田 正治氏、
コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 ISOグループ 課長代理 村中 就裕氏、
コンプライアンス監査部 コンプライアンス室 室長 小田 広昭氏

広島トヨタ自動車株式会社の概要

所在地 本社 広島県広島市中区
設 立 1942年12月(1936年8月創業)
事業内容 自動車販売と整備、および周辺業務、保険、用品、IT機器の扱い
店舗数 25
従業員数 534名
ISO 14001初回登録 2004年2月(JQA-EM3762)

ISO 39001 登録情報

登 録 2013年6月(JQA-RT0016)
登録活動範囲 コンプライアンス監査部および保険部における社用車の安全運転管理プロセス
関連事業所 コンプライアンス監査部、保険部

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