ANAコンポーネントテクニクス株式会社様

世界各地から届く計測器を、厳密に管理・校正

ANAコンポーネントテクニクス株式会社の品質管理部 校正課は、主にANAグループの航空機整備に使用される計測器の校正を担当。計測器はANAグループが就航している世界各地の空港や整備基地から集められ、同社管理の下、社内校正はもとよりJQAやメーカーなどに委託する外部校正も利用している。

航空業界において、計測器校正は安全運航に大きくかかわるため、その運用は厳格に規定されている。

「航空機整備にかかわる計測器の管理・校正については、日本の航空法に定められているほか、EASA※1やFAA※2が定めている規則にも対応する必要があります。さらに、ANAグループの整備部門で細かい規程を設け、それに基づいて業務を行っています。我々の業界は“つい、うっかり”が許されませんので、例えば、校正の有効期限などはグループ独自のシステムを構築・活用して、決して期限を逸脱しないよう二重三重にチェックできる体制を整えています」(舘野氏)。

  • ※1 EASA(European Aviation Safety Agency):欧州航空安全局。EU(欧州連合)の民間航空機産業における、安全に関する分野での規制やその管理を行う機関。
  • ※2 FAA(Federal Aviation Administration):アメリカ連邦航空局。アメリカの運輸省の下部機関で、航空輸送の安全維持を行う機関。
品質管理部 校正課 リーダー 舘野 久樹氏品質管理部 校正課
リーダー 舘野 久樹氏

航空機整備の重要性を認識した、校正作業者を育成

計器校正の厳格な運用は、校正作業者の育成面にも現れている。
同社に入社した社員はまず航空機の装備品整備の部署に配属され、そこで整備の経験を数年間積むことが通例となっている。その上で、校正作業者を目指す人は校正に関する知識とスキルを磨き、校正にかかる資格を取得して初めて作業者となる。

品質管理部 校正課 臼井 亮介氏 品質管理部 校正課
臼井 亮介氏

「計測器校正も航空機整備の一環であるという考えのもと、整備業務をしっかり経験し、航空機整備とは何かをきちんと理解した上で、計測器校正に携わってもらいたいと考えています。航空機整備は縁の下の力持ち的な存在ですが、そこが揺らいでしまうと、グループ全体の信用に大きな影響を及ぼしかねません。その重要な整備作業に欠かせないツールが計測器です。航空機整備にあたる整備士が何の疑いもなく普通に計測器を使える環境をつくること。それが私たちの仕事であり、それをきちんと実行してくれる人材を育てていくことが大切です」(舘野氏)。

ISO/IEC17025を取得し、認定校正機関に

2020年11月、同社はより幅広い計測器校正に対応するため、試験所・校正機関の国際規格であるISO/IEC 17025の認定を取得した。

認定を取得して間もないため「効果はこれから」とのことだが、認定取得の準備を進めるなかで思わぬ成果があったという。
「計測器校正は基本的に担当者一人で行い、一人で完結する作業です。しかし、今回のISO/IEC 17025取得の準備にあたり、校正作業者同士がお互いの作業内容について“もっとこうしたらいいのではないか”などといった意見交換ができました。これは新鮮でしたし、良い経験になりました。これからは“不確かさをいかに小さくしていくか”という共通テーマがありますので、引き続き意見交換の場を設けて、みんなで一緒に考えていきたいと思います」(小泉氏)。

最後にJQAに対する評価などをお聞きした。

品質管理部 校正課 マネジャー 小泉 喜隆氏品質管理部 校正課
マネジャー 小泉 喜隆氏
機体

「ISO/IEC 17025の取得に向けて、JQAにはさまざまなアドバイスをいただき、感謝しています。また、校正の外部委託についてもJQAは心強い存在です。というのも、我々航空業界は外国製の特殊な計測器も使っており、それに対応できる委託先が少ないのが現状です。対応できるとしてもいったんアメリカに送るという会社が多く、コスト面や納期面で見合わなくなってしまうケースもあります。その点、JQAは他社と比べて校正対象品目が多く、そのような計測器の校正にも対応いただけるので大変助かっています。今後ともいろいろな面でご協力をお願いします」(小泉氏)。

【掲載写真について】
写真撮影のために、ソーシャルディスタンスに配慮した上で、マスクを外していただきました。インタビュー中はマスクを着用いただいています。