おしごと年鑑2023
S-JQAマーク認証が完了するまでの工程の一部を見てみよう!

このページでは、私たちが行っているさまざまな試験・検査のうちの一部を動画でご紹介(しょうかい)します。

扉(とびら)開閉試験

出典元:電気製品認証協議会(SCEA)

電子レンジでものを温められる原理

電子レンジは、マイクロ波で食品に含(ふく)まれる水分子を振動(しんどう)させ、その熱を使って加熱調理を行っています。

電子レンジのそばにいるひとは加熱されてしまわないの?

マイクロ波には金属にあたると反射する性質もあるので、金属でできた電子レンジの外箱や扉(とびら)からマイクロ波が漏(も)れないように、扉のガラスの中に網(あみ)目状の金属が入っていたり、扉(とびら)を開けるとマイクロ波の照射ができないようにしたり、といった設計をしています。そばにいる人が加熱されてけがをすることがない理由です。

扉(とびら)開閉試験では、扉(とびら)を開閉し温める動作を10万回(1日 10 回使用× 30 年を想定)行っても庫内からマイクロ波が漏(も)れていないかを確認します。

※これは規格・基準の回数が決められた背景です。電子レンジが30年間安全に使えるということではありません。

異常試験

↑異常試験中、じゃがいもが発火・燃焼する様子

異常試験ってなに?

電気製品の内部の電子部品がこわれたときや、よくあるまちがった使い方をしたとき=ふつうではない状態にして、火が出ないか、人が触(ふ)れて感電しないか等を確認する試験です。

どんなことをするの?

内部の電子部品をショートさせてこわれたときと同じ状態にしたり、モーターを動かなくしたり、水を入れて使用する製品に水を入れずに動作させたり、立てて使用する製品をたおした状態で動作させたり、とさまざまな異常試験の方法が、製品の機能や性質に合わせて法律や規格・基準で決められています。

この動画では、電子レンジの国際規格に定められたポテト試験を行っている様子をご紹介(しょうかい)します。
規格に定められた方法で15分間加熱することにより庫内に置いたじゃがいもを発火・燃焼させ、その火が庫内から漏(も)れないかどうかを確認しています。

!!注意!!
電子レンジで食品以外のものを加熱する、または目安の長さを超(こ)えて加熱すると、火災や傷害、製品破損といった事故につながるのでたいへん危険です。取り扱い説明書にしたがって正しく製品を使いましょう。

番外編:自動車のEMC試験

EMC(イーエムシー)ってなに?

EMCは日本語で「電磁両立性」といいます。「無線通信を妨害(ぼうがい)するノイズ源とならないこと」と「外からノイズによる妨害(ぼうがい)を受けても機器が誤作動や故障をしないで正常に動くこと」が両立する状態です。

自動車の部品になぜEMC試験が必要なの?

近年、自動車は電気自動車(EV:イーブイ)化やIoT(アイ・オー・ティー)化が急激に進み、ガソリンで走る自動車でもたくさんの電子部品が使われています。
自動車が走っているときに電子機器が誤作動すると事故が起きてしまいます。自動車の部品は、ノイズを受けても誤作動や故障をしないことはもちろん、それ自体がノイズ源にならないことが必要です。

動画では「リバブレーションチャンバー」という、試験室のなかで発生させた電磁波を反射させ、さまざまな方向からノイズを機器に加えることによって、自動車における無線通信の環境(かんきょう)を模擬(もぎ)することができるEMC試験室についてご紹介(しょうかい)しています。

日本品質保証機構(JQA)は家電製品だけでなく、医療(いりょう)機器や自動車用電子部品等のさまざまな電気製品のEMC試験を行っています。

※ノイズ:
電磁波を受けるのをじゃまする電気的なみだれのこと。