歴史的価値のある手動天びんを東洋計量史資料館(長野県松本市)へ寄贈

2020年12月8日
一般財団法人日本品質保証機構

当機構は、中部試験センター師勝試験所で分銅の校正に使用していた手動天びん(守谷製 ひょう量20㎏ 感量40㎎)を東洋計量史資料館(長野県松本市)へ寄贈いたしました。

今回寄贈した手動天びんは、日本の国家計量機関である通商産業省工業技術院計量研究所(2001年4月に産業技術総合研究所に統合)にて上位の基準分銅の校正に使用していたものを譲り受け、計測器の校正を行っている当機構が10年ほど前まで実際に分銅の校正に使用していたものです。

歴史的な価値のある天びんであることから、東洋計量史資料館に展示していただくこととなりました。多くの方にご来館いただき、ご覧いただければ幸いです。

館長土田様のコメント

東洋計量史資料館は多くの方々のご好意により、約1万3千点の古い度量衡を展示しております。「衡」に関しては、秦の始皇帝時代分銅の世界で唯一の完全複製品、両替天びん、100貫目が計量可能な江戸時代の棒ばかりなど多くの秤・分銅等を展示しております。このたび一般財団法人日本品質保証機構様のご理解により、貴重な大型手動精密天びんを寄贈頂き感謝申し上げます。
20kgで40mgという高精度を有する本天びんは、基準分銅を検査する重要な役割を担ってきました。より精度の高い秤が登場し、古い秤は役目を終えますが、天びんを使ってきた方々や、正しい基準分銅により恩恵を受けた事業者、天びんを作られた技術者の思いを大切にし、当館で長く保管し展示してまいります。

当機構担当者コメント

この手動天びんは、大きさ、性能とも大変希少であり、歴史的な価値が高いものです。測定に時間がかかるため、近年は業務で使用しておりませんでしたので、このたび長野県松本市にある東洋計量史資料館に寄贈し展示していただくこととなりました。先人の知恵や技術の詰まった計測器が数多く並び、現代につながる技術が学べる当資料館に展示されることで多くの方に計量の歴史ならびに校正業務への理解が深まることを期待しております。

東洋計量史資料館

「東洋計量史資料館」は、計量の知恵や、はかりが担ってきた社会的役割を未来に伝えるべく、水道・ガスメーターの開発・製造・販売を行う計量器メーカーである東洋計器株式会社が運営している資料館で、国内外の貴重な天秤、江戸時代の枡などが展示されている。

https://www.toyo-keiki.co.jp/toyokeiryoushi/index.html

資料館外観
所在地 〒390-0813 長野県松本市埋橋1-9-18
入館料 大人(高校生以上)/500円
小人(小・中学生)/200円

※小学生未満 無料

開館時間 10:00~16:00(最終入館は15:30まで)
休館日 3月~11月は毎週月曜日
12月~2月は全日休館(冬季休館)