私たちが行う認証のための試験は、ただ決められた項目を行うだけではなく、新製品や新機能についてメーカーが想定している使い方を超えて、生活シーンでどのように使われるかを想定して試験を行う必要もあります。例えば、モーターが内蔵されている製品であれば、モーター内部にホコリが入って過負荷状態となったときに、人がそばにいれば異常を感じて製品を止めることができます。しかし、人がいない場所での使用では事故につながるかもしれません。こうした使用状況に合わせ、試験の必要性を判断します。そのため、遠隔から無人で使用されることの有無なども含めて、メーカーに開発意図を伺うこともあります。また、先進的な技術を用いた製品は、国内または国際会議で規格の考え方や解釈について議論された内容も踏まえて、判断を行うことも。このような認証業務の面白みは、やはり世に出る前の新製品に触れて驚くことができること。そして、世に出た後に家電量販店などで自分が携わった製品を手にでき、自分の仕事を実感できることだと思っています。