JQA

Yuya Odajima
Yuya Odajima2021年 入構 中部試験センター 名古屋マテリアルテクノ試験所

巨大な建物の
安全のために、
繊細な化学試験を。

大きな建物をつくって社会に貢献したい。大学で建築学を専攻していたため就職活動をはじめたころは、そう考えていました。しかし、JQAに出会ったことで建物の中身である建設材料に関わり、多くの人たちの安全や安心を支えるという仕事に興味を持ちました。現在はコンクリートの原料である砂や砂利などの骨材、水の化学試験と、完成後の建物からくり抜いたコンクリートコアの化学試験を担当しています。実は、コンクリートをはじめとする建設材料は、その品質が建物の安全性を大きく左右するため、JIS規格で試験方法や成分、強度の基準も定められています。化学試験はこのJIS規格に従って成分面を調べるために行うのです。実際に試験をしてみて驚いたのは、「建物の安全のため、人の安心のためにここまでやるのか…」と感じるくらい事細かに分析することです。例えば、試薬と混ぜるためにコンクリートコアを粉砕するにしても0.001g単位で使用するため、機械を使用して数十分かけて微細にします。その微細にした材料を試験するため、検出する物質の量ももちろん少なく、すこしでも手順に不備や雑なところがあれば、数値が変わってしまうのです。

材料の知識はある。
化学の知識はない。
そこからスタートして
社会のために。

この細かさと丁寧さ、そして正確さが求められる化学試験。私は、基本的な建設材料については知識がありましたが化学については高校以来、専門的に学んでこなかったため、最初はかなり苦戦しました。さまざまな薬品や実験器具の取り扱いだけでなく、コミュニケーションに必要となる化学用語にも慣れていなかったのです。正直、分からないことが多く、このままではダメだと思って化学の教科書を探したくらいでした。でも、先輩に教えてもらいながら自分でも一から学び直し、一度行った試験は次から一人でできるように詳細をメモにまとめることで、任される試験も増えてきました。そのなかでやりがいを感じるのは、やはりコンクリートコアの試験。ある街の小さな橋から日本の大動脈と言われるような高速道路まで、本当に数多くのインフラの劣化調査に対して試験を行うので、常に社会への貢献を実感できています。そして、この仕事に携わる上で今後の目標は、まず目の前のことをどんどん吸収し、知識を深めて化学試験のプロフェッショナルになること。次に高い視座を持って目の前の試験だけでなく、お客さまや社会について深く考えながら価値を提供できる人になりたい。そう考えています。
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