サービスロボット(ISO 13482)

概要

サービスロボットとは、主にサービス業で使われている「人の役に立つロボット」の総称です。人が行う作業をロボットが代行・補助することで体力的な負担や手間の軽減、危機回避などが期待でき、作業効率アップにつながります。

ISO 13482は、サービスロボット(生活支援ロボット)の安全要求事項が規定された国際規格です。この規格において、サービスロボットは「産業オートメーションの用途を除き、人または機器のために有用なタスクを実行するロボット」と定義されています。

サービスロボットの特徴的なタイプとして、「Mobile servant robot(移動作業型)」、「Physical assistant robot(人間装着型)」、「Person carrier robot(搭乗型)」の3タイプが挙げられています。

移動作業型
Mobile servant robot
人間装着型
Physical assistant robot
搭乗型
Person carrier robot
移動能力があり、物の取り扱いや情報交換など、人との相互作用で支援タスクを実施するサービスロボット 人の動作の補助や増強を行い必要なタスクを実行するために、使用者を物理的に支援するサービスロボット 目的地まで人を輸送する目的で使用されるサービスロボット
[主な種類]
作業支援/災害案内/掃除・警備案内/荷物搬送 など
[主な種類]
ロボットスーツ/動作支援 など
[主な種類]
移動支援 など

移動作業型

人間装着型

搭乗型

当機構は、安全・安心なサービスロボットの普及のために、リスクアセスメント支援をはじめ、設計・開発段階からの製品安全に関する技術サポートやISO 13482に基づく評価・認証サービスを提供します。

ISO 13482 要求事項の概要

ISO 13482の要求事項は、リスクアセスメントを実施することから始まります。
リスクの大きさに応じたリスク低減プロセスを適用し、保護対象に制御を使用する場合には、関連する機能安全規格へ適合させる必要があります。
また、製品の妥当性確認のために各種試験を実施し、使用上の情報をマニュアルなどに明記することになっています。

ISO13482 要求事項の概要

ISO 13482は新しい製品分野の安全規格であることから、リスクアセスメントの実施にあたっては次のような課題があります。

生活支援ロボットのリスクアセスメントの課題

このため、ISO 13482に適合したサービスロボットの開発を行うためには、“リスクアセスメントをどのように取り組むか”が重要なポイントになってきます。

ISO 13482では、さまざまな規格を引用しています。特徴的なのは、ロボットの安全機能を制御システムで実現する場合、必要に応じて機械分野の機能安全規格(ISO 13849-1、IEC 62061)を引用している点です。これらの規格は、機械安全規格(ISO 12100)および機能安全規格(IEC 61508)の流れを汲むものであり、リスクアセスメントを起点として、ロボットの潜在的な危険源への対応を求めています。

ISO 13482は、JIS化され、JIS B 8445として発行されています。さらに、JIS規格では、先の3タイプのサービスロボットの個別規格としてJIS B 8446シリーズが発行されております。また、腰補助用の装着型ロボットの性能規格(JIS B 8456-1)やロボットサービス運用マネジメント規格(JIS Y 1001)など、順次、標準化が進められています。