情報誌 ISO NETWORK Vol.22

[INFORMATION]建設業におけるISO認証と経営事項審査(国土交通省の発表から)

JQAのホームページでもご紹介しておりましたが、国土交通省が経営事項審査※1の改正内容をまとめ発表しました。改正の目的は、ペーパーカンパニー対策などの評価の適正化と、虚偽申請防止対策を強化し運用面の改善を図ることにあります。改正の主な内容は以下の4項目です。

(1)技術者に必要な雇用期間を明確化、(2)完成工事高の評点テーブルの情報修正、(3)再生企業に対する減点措置、(4)社会性等(W点)の評価項目の追加(建機の保有状況とISO認証取得状況に加点)で、施行は平成23年4月1日です。

ISO認証の取得についての改正理由は、現在ISOの認証が多くの都道府県等において発注者別評価点で評価されており、経営事項審査に追加することにより、受発注者双方の事務の重複と負担の軽減に寄与することが可能であると判断されたためです。以下の総合評価点の計算式のW点において、ISO 9001、ISO 14001の認証取得に対して、それぞれ5点(両方で10点)加点することです。

なお、評価対象となる条件は、以下の通りです。

  • 公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)またはJABと相互認証している認定機関の認定を受けている認証機関が認証したISO 9001、ISO 14001であること。

以下の場合は対象になりません。

  • 認証範囲に建設業が含まれていない場合
  • 会社単位でなく、特定の事業所単位の認証の場合

    (認証対象に建設業法による建設業の許可を取っている事業所全てを含むか、建設業の許可を取っている全ての事業所について、別々の認証を取っていることが求められています。)

ISO 9001およびISO 14001の新規認証および登録活動範囲の拡大等のご相談、お問い合わせは、JQA事業推進担当者までお気軽にどうぞ。

  • ※1 経営事項審査
    経営事項審査(略称:経審(けいしん))とは、建設業者の経営に関する客観的事項の審査のことで、建設業者が公共事業の発注者である国土交通大臣や都道府県知事から直接請け負う際に行われるものです。公共事業を受注する条件は官庁や自治体によって異なりますが、経審は客観的な評価として入札者の序列を決定する資料の中核をなしています。つまり、経審で高い評点をとることは公共事業の受注に関してより有利な条件を得るための第一歩になります。また、経審の審査結果は一般にも公開されるため、民間工事でも依頼業者選びの客観的な判断材料となることもあるようです。