株式会社NYSプレシジョン様

IATF 16949の要求に基づく、認定校正を実施

株式会社NYSプレシジョンが製造した高純度洗浄液は、高い品質で評価を得ている。
同社の計測器校正の方針について伺った。

「私たちが製造した高純度洗浄液を使用する半導体デバイスメーカーに、計測器の品質管理について要求される企業があります。そのため、その要求を満たすような計測器の校正・管理を行っています。複数のメーカーにそれぞれ異なる要求がある場合は、そのなかの最も厳しい基準に沿って校正・管理を実施しています」(田口 氏)。

現在は、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム「IATF 16949」を取得しているメーカーがあるため、その要求事項に沿って、計測器の校正・管理を実施している。

品質グループ兼製造グループ課長 田口 幸浩 氏 品質グループ兼製造グループ課長
田口 幸浩 氏
品質グループ兼製造グループ課長
田口 幸浩 氏
管理グループ課長代理
庄 秀喜 氏

「IATF 16949では、国家認定機関のマークが付いた、いわゆる“認定校正”が求められていますので、それに対応できるJQAに校正を依頼しています。JQAは幅広い計測器の認定校正が可能なので、一括で依頼することで我々の手間が省けますし、コスト面でもメリットがあると思っています。なお、JQAで認定校正ができないものや、校正中に代替機が必要な一部の計測器については計測器メーカーに校正をお願いしています」(庄 氏)。

同社の計測器校正はJQA九州試験所が窓口を担当。福岡の試験所で預かった計測器は必要に応じて福岡以外の試験所でも校正を実施し、その後福岡から一括で返却している。一方、はかり等の一部計測器は出張校正で対応している。

計測器の管理にJQAの「MiX」を活用し、校正の期限切れを防止

同社の計測器の取り扱いは、校正のみならず、管理についても徹底している。

「IATF 16949には計測器の管理についても細かく規定されていますので、それに準拠するのはもちろん、計測器一つひとつに対して弊社独自の手順書を作成し点検方法などについて定め、それを徹底しています」(田口 氏)

また、計測器の校正スケジュール等の管理には、JQAの計測器管理システム「MiX」(ミックス)を活用している。
「MiX」では、計測器管理に必要な情報を一覧にして見ることができるほか、JQAで校正したものについては校正証明書もPDFデータとして同システムに保存される。

「MiXは、計測器ごとに校正時期が近づくと、メールで知らせてくれるので便利です。校正の期限切れ防止に役立っています」(庄 氏)。

試験の様子 試験の様子 試験の様子

JQA九州試験所がさまざまなニーズへきめ細やかに対応

JQAの校正の品質や対応に関して、感想や評価を語っていただいた。

ちなみに同社は、親会社であり工業薬品や設備資材を販売する株式会社西村ケミテック様(本社:大阪府大阪市)の関連事業所として、ISO 9001、ISO 14001を取得しており、その認証もJQAのマネジメントシステム部門が担当している。

株式会社NYSプレシジョンの皆さま株式会社NYSプレシジョンの皆さま

「弊社がIATF 16949に準拠したシステムを構築する際に、認証を取得されている企業様から、計測器のISO/IEC 17025認定校正機関としてJQAを推奨されました。我々のお客さまからも信頼されている校正機関ですので、安心してお任せしています。今後も引き続き、計測器の取り扱いについて、また、コスト面などについても、いろいろご相談させていただければ、と思います」(庄 氏)

「いつもきめ細かくご対応いただいて感謝しています。例えば、疑問点についてお尋ねすれば、迅速かつ丁寧に、そして、分かりやすくご説明いただけるので助かっています。品質グループといっても校正に深い理解があるわけではないので、我々の勉強にもなっています。今後ともよろしくお願いします」(田口 氏)

さらに取材後も、株式会社NYSプレシジョンのお二人と、同席したJQA九州試験所の営業担当の間で、対応できる計測器についてやJQA主催のセミナーについてなど、和やかな雰囲気のなかでさまざまなやりとりが交わされた。