マネジメントシステムは、さまざまな組織において事業戦略を実現するために採用されています。しかしISO 9001、ISO 14001、ISO 27001などのマネジメントシステム規格は、それぞれの分野の専門委員会がその分野ごとに最適化をめざして開発されたものであり、発行時期だけでなく規格構成や用語などが異なることもありました。そのため、複数のマネジメントシステムを使って事業を展開している組織では、マネジメントシステムを別々に運用していることも珍しくありません。
こうしたなか、2012年からマネジメントシステム間の整合性を高めるための取り組みが始まっており、複数のマネジメントシステムを統合利用する環境が整ってきました。これは、マネジメントシステムを組織に合わせてカスタマイズし、組織全体の事業目標やビジョンの実現に直結させ、経営情報を一元管理し、事業環境の変化に対して迅速かつ適切な意思決定でパフォーマンスを高めるチャンスです。
当機構はマネジメントシステムを統合する組織をサポートするサービスを開始しました。
マネジメントシステム統合プログラムは、複数マネジメントシステムの統合に向けて、ステップ・バイ・ステップでお客さまをサポートするJQA独自のサービスです。
マネジメントシステム間の共通の度合い(統合度)は組織によってさまざまです。そこで、マネジメントシステム統合プログラムでは、「ステージⅠ」「ステージⅡ」「プレミアム・ステージ」の3段階の統合ステージを用意し、それぞれの段階に向けたサポートをJQAがご提供することで、マネジメントシステムの統合を進めていただくことができます。
複数のマネジメントシステムを運用している組織がマネジメントシステムを統合することは、事業運営上のさまざまな課題を一元化した仕組みで対応できることにつながり、従業員が分かりやすく、経営層が使いやすいシステムとなります。
これにより「事業目標やビジョンの実現に直結するマネジメントシステム」となり、さらには「これからの事業環境の変化に即応できる“足腰の強い”マネジメントシステム」となります。
また、統合を進めることは、さまざまな重複を解消することでもあり、コスト削減にもつながります。
マネジメントシステムの統合に関する国際的なルールをベースとした、JQA独自の統合度評価基準※をご提供します。この評価基準をもとに自己チェックいただくことで、現状の統合度をわかりやすく把握いただくことができます。
※評価基準の詳細は個別にご紹介しますので、お気軽にJQAまでお問い合わせください。
各規格の審査を、異なる日程・異なる審査員で行うのではなく、同じ日程・同じ審査員で1回にまとめて行います。
同じ日程に審査をまとめることで、規格間で共通する部分をあわせて審査することによる効率化を図ることができ、審査工数の削減につながります。
また、審査員が訪問する回数が減るため、組織における審査準備や審査対応の負担を軽減できます。さらに、同じ審査員が審査を担当することで、各規格を審査する視点が統一され、規格間のバランスを考慮した審査を行うことができます。
審査では、各規格の要求事項に基づいた適合性・有効性の評価と同時に、統合度の評価基準を用いて統合度を評価します。統合度の評価結果と該当する統合ステージは審査報告書でご提示し、さらに統合のステージアップに向けたヒントをご提供します。
実際の運用状況を確認したうえで、統合を進めるためのヒントをご提供しますので、組織の実態にあった、有用な情報となります。ヒントを活用し統合を進めることで、マネジメントシステムの維持・管理作業にかかる内部コストの削減、さらには、わかりやすく使いやすい仕組みへと改善することができます。
統合を進めていくためには、統合の基本的な考え方の習得や規格要求事項の理解向上のほか、文書の見直しや内部監査方法の改善など、実施事項は多岐にわたります。JQAはこのようなお客さまの状況に応じた情報を提供し、統合へ向けた取り組みを支援します。
また、お客さまがスムーズに統合プログラムに参加し、審査を受け、さらに日々の運用を進めていただくために、JQAはきめ細やかな支援を行います。