IATF 16949(自動車)
概要
自動車産業において製品・サービスの不具合を予防し、
ばらつき・ムダを低減させるためのマネジメントシステム規格
IATF 16949は自動車産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
世界の多くの自動車メーカーが、自動車部品のグローバルな調達基準として採用しています。
対象組織
自動車関係製品の設計・開発、生産、組立、取付け、サービスを提供する組織であり、顧客規定生産部品、サービス部品、アクセサリー部品を製造するサイト
(アフターマーケット部品は対象外)
自動車とは
乗用車、小型商用車、大型トラック、バス、自動二輪車
(対象外:産業用車両、農業用車両、公道外で使用される車両(鉱業用、林業用、建設業用など))
顧客規定生産部品とは
車両に不可欠な部品
(自動車メーカーによって最終的に自動車に組み込まれる部品。消火器、カージャッキ、フロアマット、オーナーズマニュアル、三角警告板、反射ベストも含まれる)
サービス部品とは
自動車メーカーが調達またはリリースする、自動車メーカーの仕様どおりに製造された交換部品
(再生部品を含む)
アクセサリー部品とは
自動車メーカーが調達またはリリースする、自動車メーカーの仕様どおりに製造された追加部品
(正規ディーラーなどで提供される純正オプション)
アフターマーケット部品とは
自動車メーカーが調達またはリリースしない交換部品
(カーアクセサリーショップなどで販売されるカーナビゲーション、オーディオ機器、タイヤなど)
製造とは
次のものを製造する、または仕上げるプロセス
- 生産材料
- 生産部品もしくはサービス部品
- 組立製品
- 熱処理、溶接、塗装、メッキ、もしくは他の仕上げ作業
サイトとは
価値を付加する製造工程のある事業所(工場)
規格の狙い
IATF 16949は、次の3点を実現するための品質マネジメントシステムの要求事項を定めています。
- 不具合の予防
- サプライチェーンにおけるばらつき・ムダの低減
- 継続的改善
認証取得の効果
- 欠陥の予防やバラツキ・ムダの低減による高品質な製品の提供
- 法令順守(コンプライアンス)の推進
- KPI(キーパフォーマンス指標)の管理
- 業務効率の改善や組織体制の強化
- 仕事の見える化による業務継承の円滑化
- 継続的な改善による企業価値の向上
- 品質保証による社会的信頼や顧客満足の向上
- 海外企業を含む取引要件の達成
- 企業競争力の強化
規格の構成
IATF 16949は、ISO 9001をベースとして、自動車産業固有の要求事項が加わっています。さらに、顧客が指定する個別の要求事項も加わり、3層構造となっています。
IATF 16949の認証取得にあたっては、すべての要求事項に対応した品質マネジメントシステムの構築が必要となります。
IATF 16949の関連文書
IATF 16949認証制度は、IATF 16949規格(要求事項)を中心に各種文書から構成されます。