カーボンフットプリント/環境フットプリント

カーボンフットプリント

カーボンフットプリント(Carbon footprint of products:CFP)※1とは、製品単位でサプライチェーン上におけるCO2排出量をライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA)※2の手法を用いて算定したものです。

2007年にイギリスが先行して制度を導入し、その後、フランスやドイツ、韓国等でも取り組みが開始されるなど、温室効果ガス(GHG)排出量を削減するツールの一つとして国際的に注目されています。
国内では、2009年に経済産業省が中心となり、カーボンフットプリントに関する各種ルールづくりや試行事業を開始するなど、制度の導入を進めてきました。当機構も2009年よりカーボンフットプリント試行事業に参画、また、システム認証機関に登録し、検証技術開発に積極的に取り組んでまいりました。

JQAの取り組み

2009年
経産省、国交省、農水省、環境省の4省庁によるCFP制度試行事業に参画
2012年
民間移行した産業環境管理協会によるカーボンフットプリントコミュニケーションプログラムに、システム認証機関として参画
2017年
エコリーフ環境ラベルプログラムと統合された「JEMAI環境ラベルプログラム」に、システム認証機関として参画
2019年
サステナブル経営推進機構(SuMPO)に移管され、引き続き検証機関、システム認証機関として参画

日本は2050年にカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、2030年度には2013年度比で46%の温室効果ガス排出量削減を目標にしています。
カーボンニュートラル社会を実現するためには、サプライチェーン全体での削減を進めていくことが重要で、それを推進するための脱炭素・低炭素製品(グリーン製品)が選択される市場の創出が求められています。なかでも、カーボンフットプリントへの取り組みはグリーン購入法特定調達物品等であるための基準でもあり、普及が進むことにより、事業者と消費者の双方による相乗的なGHG排出量の削減につながるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けた計画の促進が期待されています。

  • ※1 カーボンフットプリント(Carbon footprint of products:CFP):

    (出典) カーボンフットプリント レポ―ト 2023年3月、 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会、p.4 図1より抜粋
  • ※2 ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA):
    製品のライフサイクル全体(原材料の取得から製造、使用および使用後の処理、リサイクルおよび最終処分に至るまで)に通じた環境負荷を定量的に算定する手法。

環境フットプリント

環境フットプリント (Environmental Footprint)とは、温室効果ガスによる気候変動への影響だけでなく、人体の健康、生活の質、生態系など複数の環境影響領域を評価し、一定の算定基準で数値化する、マルチクライテリアでのライフサイクル環境影響評価で、近年重要視されています。EUでは製品の環境フットプリントおよび組織の環境フットプリントの方法論が策定され、義務的な導入まで検討を進めています。

参考

日本のグリーン購入法
日本では「グリーン購入法」に基づき、公共調達でのカーボンフットプリントの活用が進んでいます。また、特定調達物品等の基準としており、可能な限りカーボンフットプリント等の環境情報の算定・開示を促すことで、民間企業の調達行動への波及を進める狙いです。
炭素国境調整措置
EUは2022年12月に炭素国境調整措置(CBAM)の導入を決めました。CBAMは気候変動対策をとる国が、同対策の不十分な国からの輸入品に対し、水際で炭素課金を行うこと、また自国からの輸出に対して水際で炭素コスト分の還付を行う規制です。日本から直接欧州に課税対象物品を輸出する企業などが製品のカーボンフットプリントの報告をするなど、脱炭素社会の実現に向けたカーボンプライシング政策が検討され、広がりをみせています。
国際規格
  • ISO/TS 14067:2018(温室効果ガス — 製品のカーボンフットプリント — 定量化の要件とガイドライン)
  • ISO 14040:2006(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント− 原則及び枠組み)
  • ISO 14044:2006(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント− 要求事項及び指針)
  • ISO 14025:2006(環境ラベル及び宣言− タイプⅢ環境宣言−原則及び手順)
  • ISO/TS 14027:2017(環境ラベルと宣言 — 製品カテゴリールールの開発)