われわれは、マネジメントシステムの審査登録業務において、公平で透明度の高い審査サービスを提供することを重要な使命として認識しています。
このため、われわれは国際的な規格・基準、及び関連法規に従って、公平性に対して影響を及ぼす利害関係を管理して、客観性のあるマネジメントシステム審査登録活動を確実に行います。
2023年6月
一般財団法人日本品質保証機構
マネジメントシステム部門
部門長 今村 俊樹
マネジメントシステム審査登録機関(以下、審査機関)の運営等に関する国際基準であるISO/IEC 17021-1では、審査登録の世界的な普及を背景に、審査機関が審査登録を行う能力を持ち、公平な方法で運用することを求めております。以下にISO/IEC 17021-1の主旨とJQAの取り組みをご紹介いたします。
第三者認証制度の目標は、すべての利害関係者に、「受審企業のマネジメントシステムが規定要求事項を満たしている」という信頼を提供することにあります。これを実現するためには、審査機関による公平かつ客観的な審査が求められます。このためISO/IEC 17021-1においては①公平性、②力量、③責任、④透明性、⑤機密保持、⑥苦情への対応、⑦リスクに基づくアプローチの7点を審査機関が信頼を提供するための原則として掲げています。
審査機関が信頼される審査を提供するためには、何よりも公平であることが必要です。とりわけ審査機関は依頼者からの審査の対価を収入源としており、これが公平性に対する潜在的な脅威であると認識されています。利害関係やその他の圧力に制限を受けることのないよう中立な立場での公平な審査に徹することが求められます。
JQAでは、審査登録が受審組織の顧客や市場・社会から公平、中立であると信頼いただくことが第一と考えております。そのために、審査員などが利害関係の抵触なく適切に活動できるようにするため、常に情報を監視し、対応する体制を整え、また、外部委員からなる公平性に関する委員会を通じて、公平性の確保に今後とも努めてまいります。
審査員の力量の向上には、審査機関の組織的な審査員教育・育成のシステムにより審査員の資質や技術の向上を図る必要があります。
JQAでは、審査員に求められる力量を明確にし、これを維持、向上させるため、審査員に対する教育、訓練、評価を行う体制を整備しています。
審査機関は、「要求事項に適切に適合しているかどうかを評価する」という責任を負います。
JQAでは、審査登録機関としての責任を全うするために、個々の審査チームの責任・権限を審査登録プロセス全般にわたって的確に位置付けた審査体制を整備しています。
透明性とは、適切な情報が開示され、これが利用できることです。このためには審査プロセス、認証プロセスに加え、認証を受けているすべての企業・組織の認証の状態について、適切な情報を利害関係者の要請に応じて提供することが求められています。
JQAでは、審査登録制度の透明性を確保するために、「一時停止中の組織」、「苦情処理や異議申し立ての手順」を公開しています。
審査機関が審査を行うにあたり入手した情報は機密として保持することが不可欠です。
JQAでは、審査活動に際し得られた情報が機密として大切に保持されるようデータセキュリティのシステム強化と要員に対する教育を継続的に行っております。
認証を取得している企業・組織からの苦情や、認証を取得している企業・組織の製品やサービスを利用している方からの苦情に対しては、適切な対応を効果的に行うことが求められます。
JQAでは苦情処理や異議申し立ての手順を公開することにより、受審組織やその顧客からの苦情などに適切に対応する体制を整えております。
審査機関は力量が確保された公平な審査サービスを提供するために、関連するリスクを考慮することが求められています。
JQAでは、審査サービスに影響を及ぼすリスクを評価し、リスクの排除または最小化を継続的に行っております。
以上