- 企画・推進センター 品質推進室
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JQAではお客さまサービスの向上を目指して、審査終了後に審査アンケートをお願いしています。2011年度からWeb上で回答していただくように変更し、手書きの調査票を郵送していただいていた従来の方式に比べて即時性と集計効率が向上しました。この利点を生かし、お客さまからの苦情やご要望に迅速に対応するとともに、次の審査への確実な申し送りや手順見直しなどを通じて、審査サービスの質向上に役立てています。
審査アンケートの全面改訂とWeb化から約2年が経過し、データがまとまってまいりましたので結果をご報告します。対象は2011年度（2011年4月〜2012年3月）です。
審査内容に対する総合満足は、5段階で評価していただいていますが、［図１］のとおり、満足（「とても満足」＋「満足」）が86.8%となっており、アンケートの選択肢の設定の変更があったため単純な比較はできませんが、おおむねこれまでの満足度の傾向に大きな変化はありませんでした。
一方、審査日程の決定などを行うJQAからお客さまへの窓口サービスに対する総合満足についての問いを新たに設け、71.1%の満足（「とても満足」＋「満足」）という回答をいただいています［図2］。
企画・推進センター［図1］審査内容の総合満足度
［図2］窓口サービスの総合満足度
審査内容の評価項目（複数回答可）では、81.1%のお客さまの組織が「改善や課題解決に繋がった」と評価していただき、以下「組織の自主性・自立性が配慮されていた」「今後のISO活動の動機付けになった」「事業の業態・規模を認識した審査だった」「組織の業務の流れに沿って現場の審査をしていた」が続きます［図3］。これらの評価項目は、「今後の審査で重要と思われる項目」としてお聞きした結果［図4］とも重なっています。審査の実際とお客さまの要望とが一致している点が審査の総合満足の高さに結びついたのではないかと分析しています。 一方、この設問から不満点も明らかになっています。回答全体の数パーセントの割合で、「規格の解釈に相違があった」（3.3%）や「組織の現状に合わない、べき論で行われた」（1.5%）などの項目があがっています。
自由意見としては、「改善に寄与した」「動機付けになった」「わかりやすかった」等の好評価意見が多く寄せられ大勢を占めましたが、少数ながら「時間管理」等についてのご不満のご意見もいただきました。
［図3］審査内容の評価項目（複数回答可） 
［図4］今後の審査で重要と思われる項目（選択肢から3つ選択） 
私たちは審査アンケートの集計・分析に加えて、調査票一つひとつの記載内容をお客さま対応や審査サービスの質向上に役立てています。
その第一は、ご不満への対応です。総合満足度の問いに対して「とても不満」「不満」とお答えになったお客さまには、どのようなご不満をお持ちなのか、調査票に記載いただいた内容をもとに確認させていただき、次回の審査時に改善するよう内部で申し送るなど、確実で迅速な対応を取るように心掛けています。また、Webアンケートを採用することによって、お客さまへの対応までの時間を格段に縮めることができるようになりました。
第二は、業務改善とその徹底です。審査員から審査に先立って受審組織にご提出をお願いする事前資料が審査員によって違う、とのご意見が審査アケートを通じて明らかになった時は、審査の手順を見直し、ご提出をお願いするものを明確化しました。それまでは、審査員の審査視点の違いから提出していただく事前資料の違いとして表れることがありました。この例では、事前資料を手順で明確化することで、審査員によるバラツキをなくしました。こうした業務改善の内容は、審査員が日常取り組むeラーニングにも取り込み、すべての審査員への水平展開と徹底を図っています。
お客さまの声の集計・分析の精度を高め、お客さまのマネジメントシステム改善のお役に立つ、納得していただけるサービスを目指しています。お手数ですが、審査アンケートに一層のご協力を。審査アンケートとその活用は、審査登録機関としてのPDCAサイクルの「Check」と「Act」に当たります。受審組織の皆さまのご協力のもと、このサイクルをしっかり回していくことで、お客さまへのサービスの向上に確実につなげたいと思います。率直忌憚のないご意見をお寄せくださいますよう、改めてお願いします。