日本カーソリューションズ株式会社様

ISO 39001 認証取得事例 日本カーソリューションズ株式会社
お客さまの使うリース車両の事故を減らし、ソリューションサービスの高度化を図る

代表取締役社長 伊藤 道夫氏 代表取締役社長 伊藤 道夫氏

日本カーソリューションズ株式会社は、主として法人向けのオートリース市場で事業を展開している。社名の通り、リースを入り口に自動車にかかわる多様なソリューションサービスを提供することに力を入れている。同社は、道路交通安全のソリューションもそのサービスの一環としており、自社の方向性に合致したISO 39001に取り組み、約8カ月で認証を取得した。ISO 39001導入の背景から実際の運用、成果などについて代表取締役社長の伊藤 道夫氏にうかがった。

Q&A

  • 事業における道路交通安全の占める位置づけや、これまでの道路安全対策についてお聞かせください。

    顧客のニーズを背景に、当社の重要なサービスと位置づけ、力を入れています。

  • ISO 39001の認証取得の動機、目的をお聞かせください。

    当社社用車の事故に加え、当社リース車両によるお客さまの事故の双方を減らし、サービスの価値を高めるバックグラウンドになると考えました。

  • ISO 39001認証取得までの流れをお聞かせください。

    8カ月間、かなりタイトなスケジュールで達成することができました。

    認証までのスケジュール(および予定)
    2012年 4月 事務局立ち上げ・キックオフ・ISO推進計画発表(全社部支店長会議)
    6月 NCS RTS方針の策定
    7月 運用開始・基礎研修・支店社員e-ラーニング研修
    9月 予備審査
    10月 内部監査・マネジメントレビュー・ファーストステージ審査
    11月 セカンドステージ審査
    11月30日 認証・登録証の発行
    2013年 4月 大阪、名古屋適用範囲拡大申請
    11月 定期・拡大審査予定
  • マネジメントシステムの構築・運営体制をご紹介ください。

    ISO 14001の体制も活かし、本部単位での運用体制とし、責任者・推進者を設けました。

    道路交通安全マネジメントシステム組織図

  • コンサルティング会社は導入しましたか。

    短期間でPDCAをしっかり回す仕組みを作るために導入しました。

    数社のコンペを経て、株式会社インターリスク総研にコンサルティングをお願いし、週2回は打ち合わせに臨んでもらいました。インターリスク総研には規格に精通した方もいて、用語の意味などを確認しつつマニュアル作りに協力してもらい、助けられました。そのほか教育研修など、その時々に応じた協力を得られました。(加藤氏)

    取締役執行役員 加藤雅和氏 取締役執行役員 加藤 雅和氏
  • RTS方針、RTS目標、RTS詳細目標をお聞かせください。

    目標を二重構造にし、努力目標を高く設定しました。

    RTS方針

    私たち日本カーソリューションズは、オートリース事業の遂行にあたり、以下の取り組みを推進することにより、より安全性の高い車の利用環境を実現し、お客さま、そして社会に対して「安心」と「信頼」をご提供します。

    1. リース自動車及び当社社用車に関わる道路交通事故のあらゆるリスクを分析・評価し、経済的・技術的に可能な範囲で、道路交通安全に関する目標及び詳細目標を設定し、道路交通安全マネジメントシステムを運用します。また定期的にレビューを行い、継続的改善に努めます。
    2. オートリース事業を遂行している当社として、以下の項目を重点課題として取り組みます。
      1. 「テレマティクスサービス」他のリスク管理ソリューションをお客さまに積極的にご提案し、お客さまの道路交通安全を強力にご支援します。
      2. 当社社用車に道路交通安全マネジメントシステムを適用して、重大な事故撲滅に努めます。
    3. 当社の道路交通安全マネジメントシステムに関して適用される法的要求事項、及び当社が同意するその他の要求事項を順守し、道路交通安全を推進します。
    4. 道路交通安全教育を実施して、当社で働く又は当社のために働くすべてに人にRTS方針の理解と道路交通安全マネジメントシステムの周知徹底に努めます。
    5. RTS方針を公開し、道路交通安全に関してステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に進めます。
      RTS目標(3年間) RTS詳細目標(2013年度)
    道路の脆弱性改善報告実施により道路安全性の向上に努める。 当社が取り扱った死亡事故について重大事故分析を行い、道路脆弱性が事故の主因である場合は道路管理者に100%情報提供。
    安全運行速度順守に寄与する。
    車両の提供で事故抑制に努める。
    『NCSドライブドクター』の導入提案。
    安全運転に関わる啓発活動を促進しSDS提供社数2011年度比30%増とする。 『SDS(セーフティ・ドライバーズ・サポート)』提供社数前年比10%増(2012年度比)。
    メンテナンス自動車の車検切れによる法令違反車両を排除する。 メンテナンスリース自動車の車検切れ車両0件。
    お客さま向け「NCS道路交通安全プログラム」を開発する。 左記プログラムを2013年9月末までに開発。
    当社社用車による死亡・重大事故を0件にする。 当社独自安全基準を順守して社用車による死亡・重大事故0件を継続。
    当社社用車および運転者の日常点検・運手管理強化で法令順守項目違反に起因する事故を0件にする。 安全運転推進マニュアルと日常点検チェックシートの確実な実施。
  • ISO 39001の取り組みで苦労したこと、工夫したポイントをあげてください。

    マニュアル作りに力を注ぎ、お客さまにコンサルティングできる人材の育成まで進めました。

  • 従業員に道路交通安全の取り組みを定着させる活動をご紹介ください。

    社員向けのポータルサイトや社内イントラのグループウェアで情報発信しました。

    社員向けのポータルサイトや社内イントラネットに掲載された様々なISO 39001に関する情報

    社員向けのポータルサイトや社内イントラネットに掲載された様々なISO 39001に関する情報

  • ISO 39001導入による効果がありましたらお聞かせください。

    社用車、リース車ともに事故が減り、数字で結果が出たほか、お客さまからも反響があります。

    安全運転講習会の実績推移 ISO 39001導入後の交通事故実績

  • ISO 39001を今後の事業にどのように活用されていきますか。今後の取り組みの目標や展開をお聞かせください。

    お客さまとともに道路交通安全に取り組めるようにしたいと考えています。

    社内向けISO 39001推進ポスター

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    お客さま向け安全運転推進ポスター

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