一般社団法人 電線総合技術センター様

ISO/IEC 17025に基づいた計測器の管理・校正を実施

JECTECでは、メーカーの依頼を受けて行う試験や、製品認証を行う上で必要な試験など、年間1,000件を超える電線・ケーブルの各種試験を実施しており、特に火災安全性等を評価する燃焼試験は有数の設備を備えているため多くの試験を依頼されている。JECTECで校正を要する計測器は、主にこれらの各種試験に用いられている。

計測器の管理・校正の方針や運用についてお聞きした。
「私どもは燃焼試験をはじめとする電線・ケーブル各種試験の試験所としてISO/IEC 17025の試験所認定を取得していますので、計測器の管理・校正もその要求事項に従って実施しています。ISO/IEC 17025では認定校正が必須のため、幅広い認定校正に対応できるJQAに校正をお願いしています」(堀畑 氏)

技術サービス部 部長 庄司 昭 氏 技術サービス部 部長
庄司 昭 氏
技術サービス部 部長
庄司 昭 氏

「数多くの計測器を使用していますので、計測器を管理するシステムを構築し、校正期限が近づくとアラートで知らせてくれるしくみをつくっています。また、JQA等から受け取る校正証明書も電子化し、合わせて管理しています。校正の多くはJQA等の外部に依頼していますが、一部は社内校正を行っています。社内独自の校正の資格認定システムを設け、それに合格した者が校正を担当しながら、OJTで次の校正者の育成も担っています」(庄司 氏)

JQA利用の決め手は“きめ細やかな対応と信頼感”

JECTECは1991年設立。当初から30年近くにわたり、JQAの校正サービスをご利用いただいている。
現在は、JQAで対応できない一部を除き、ほとんどの計測器の校正をJQAが担当。年1回、静岡県浜松市のJECTECへ出向き、5日間滞在して校正を行うほか、出張校正で対応できない機器はJQAに持ち込んで校正を実施している。

「JQAとは長いお付き合いになります。JECTEC設立当初は、当時のJQAの担当者に“校正とはどういうものか”などから、いろいろ丁寧に教えてもらったことを覚えています。JQAはたくさんの知見をお持ちなので、安心してお任せできます」(深谷 氏)

「JQAにお願いしている理由としては、認定校正が可能な計測器の種類が豊富なこと、出張校正で対応いただけることが挙げられます。また、試験に立ち会ったお客さまが計測器に貼られたJQAの校正済みラベルを見て“きちんと校正しているね”と言われたことがあり、そういう意味では信頼感も大きいと思っています」(堀畑 氏)

試験の様子 試験認証部 部長
深谷 司 氏
試験認証部 部長
深谷 司 氏

電線・ケーブル以外の燃焼試験にも進出

絶縁体厚さ測定の様子絶縁体厚さ測定の様子

JECTECでは近年、充実した燃焼試験設備を利用して、電線・ケーブルのみならず、建築部材など幅広いジャンルの燃焼試験にも対応している。
なかでも力を入れているのが海外に輸出する鉄道車両関係の燃焼試験である。欧米では鉄道車両に特有の防火規格があり、壁材や床材などあらゆる部材について高い防火性能が要求されることから、そのための燃焼試験をJECTECで請け負っている。

「欧州の鉄道車両の防火性能に関する規格EN 45545-2では、ISO/IEC 17025の認定試験所で行った燃焼試験のデータが要求されています。JECTECはJQAの認定校正のおかげもあり、それをクリアしていますし、この試験を国内でできる試験所は僅かしかありません。鉄道輸出は国策でもありますので、ぜひこれを広げていきたいと考えています」(深谷 氏)

最後にJQAに対する評価やご要望を伺った。

「出張校正の際、JQAの方々にお会いしますが、丁寧にご対応をいただくなど、感じの良い方ばかりで好印象を抱いています。また、年々、校正に要する時間も短くなっており、作業を行う上でも、立ち会いを行う上でも助かっています。要望としては、鉄道関係などで使用する計測器の一部にJQAで対応していないものがあるので、それができるようになるとうれしいです」(池谷 氏)

「現在は出張での校正とJQAに持ち込んでの校正を行っていますが、いずれは全て出張校正で実施できるようになると理想的ですね。また、本当に毎年全ての計測器の校正を行う必要があるのかなど、校正周期等のアドバイスもいただけると助かります。今後もいろいろお世話になると思います。よろしくお願いします」(庄司 氏)

技術サービス部 副部長/試験統括者 池谷 敬文 氏 技術サービス部 副部長/
試験統括者
池谷 敬文 氏
技術サービス部 副部長/
試験統括者
池谷 敬文 氏
技術サービス部 兼 試験認証部 副主席 堀畑 豊和 氏 技術サービス部 兼
試験認証部 副主席
堀畑 豊和 氏
技術サービス部 兼
試験認証部 副主席
堀畑 豊和 氏

「計測器管理の担当として、JQAにはいつも丁寧に対応いただき、感謝しています。今後は出張で認定校正ができるものがより増えると、ありがたいなと思います」(堀畑 氏)

「今や認定校正は我々の業務に不可欠なものになってきています。これからも継続的にサポートしていただけたら、と思っています」(深谷 氏)