株式会社朝日ラバーの白河工場は、主に光学製品の開発・製造を担当。なかでも、蛍光体を配合したキャップを使って光の色や明るさをコントロールする『ASA COLOR LED』は自動車のインパネ照明等の光源として数多く採用され、同社の主力製品となっている。
「ゴムメーカーで光学製品を製造している会社はほとんどありませんが、朝日ラバーでは創業間もないころから着色したゴムで光の色を制御するということを続けており、弊社の強みになっています。白河工場は半導体のLEDを加工するため、クリーンルームを備えています」(市川氏)
保証部 部長
市川 明 氏
計測器校正の方針についてお聞きした。
「朝日ラバー全社として、毎年『品質・環境方針』を掲げています。そのなかで『計測器および試験装置の管理規定』を設けており、それに基づいて計測器の管理や校正を行っています。具体的な運用に関しては、各工場の品質管理グループが管轄し、工場ごとの校正担当者が実施しています」(宇津木氏)。
同社の校正担当者は、計測器校正の社内講習を受講し、先輩社員からOJTで学んだスタッフが“認定員”として、計測器の管理や社内校正、外部校正の発注などを担当。白河工場では現在3名の認定員が運用にあたっている。
認定員育成の課題についてお聞きした。
「計測器の校正は年一回という頻度のため、1台しかない計測器を社内校正する場合、OJTも年一回しかできません。また、ノギス等のように使用頻度は少ないけれどなくすわけにはいかない計測器についても校正は必要ですので、そういった計測器も教育の機会がなかなか取れないというのが現状です」(宇津木氏)。
白河工場の認定員として活動中の五十井田氏にもお聞きした。
「計測器の管理を担当するようになって3年になりますが、まだまだ勉強中です。コロナ禍などもあって、なかなか外部で学ぶ機会がありませんでしたが、JQAにはリモートで参加できる講習などもあるということなので、今後はそういう機会を利用して積極的に学んでいきたいと考えています」(五十井田氏)。
白河工場の計測器校正は基本的に、社内で校正できそうなものは社内で行い、社内で対応が難しいものや、社内校正を行う上で基準器となるものについては外部の校正機関を利用している。
また、同工場は2020年に自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムIATF 16949を取得。その要求事項に沿って、車載製品の製造にかかわる計測器は外部機関にて認定校正を行っている。
当初、同工場の外部校正は、計測器の購入先である商社を通じて発注し、商社が計測器ごとに適切な外部機関を選んで校正を行っていた。
その後、商社側の人手不足等の事情から、本年度(2023年度)より同工場が外部の校正機関に直接依頼するスタイルに変更。数ある校正機関のなかから、JQAを選定いただいた。
「これまで外部校正は商社にお任せしていたので、こちらで校正機関を選定する必要はありませんでした。それが商社を挟まず、直接依頼するとなった際、JQAなら取扱品目が幅広く、認定校正が可能な計測器も多いので、JQAにお願いすれば、計測器ごとに業者を選定しなくても大丈夫なのではないかと思い、相談したのが依頼することになったきっかけです。商社経由で外部校正を行っていたときから、校正証明書などを通してJQAの名前はよく目にしていたので、安心感もありました」(五十井田氏)。
現在は、クリーンルームの維持管理に欠かせないデジタル温湿度計や、社内校正の基準器となる分銅など、30台を超える機器をJQAで校正している。
白河工場の計測器校正は、JQA福島営業所(福島県郡山市)が窓口となっている。
JQAと直接取引を行うようになって変わったことや、JQAに対するご要望などをお聞きした。
「JQAに校正を依頼することが決まってから、福島営業所の担当者が何度も足を運んでくださり、発注の仕方や申込書の書き方など、細かい部分まで直接顔を合わせながら教えていただいたので安心できました。今も困ったことがあれば、すぐに連絡させていただいていますし、場合によっては担当者が足を運んでくださるので、とても助かっています。直接校正を依頼することで、相談に乗っていただきながら進められるため、費用対効果の高さも感じています」(五十井田氏)。
「校正に関して確認したいことなどがあれば、直接連絡が取れるので、レスポンスが速くなり、仕事全体のスピードアップにもつながっています。私の後任として五十井田が校正を担当してくれていますが、JQAには今後も手厚いサポートをお願いしたいです」(横田氏)。
「JQAに直接校正を依頼するようになって間もないですが、弊社担当者が業務を進めやすいように、いろいろフォローしてくださっていると聞いています。これからも引き続きサポートをお願いします」(宇津木氏)
「福島県内にJQAの営業所があることは、同県内に事業所を構える我々からすると、とてもやりやすい環境と言えます。JQAには計測器の校正だけでなく、マネジメントシステムの認証などでもお世話になっていますので、今後とも我々に寄り添って活動していただけたら、ありがたいです」(市川氏)。