セイテック株式会社が所有する計測器の校正は、ISO/IEC 17025に基づく認定校正が必要なものはJQAで、それ以外はメーカーや他の外部校正機関をはじめ、社内校正でも対応している。
認定校正が必要な計測器は、主にEMS事業の車載部門で使用されている。
JQAでは、年1回2日間にわたり、関西試験センター(大阪府東大阪市)から岡山に赴いて出張校正を行っているほか、同社より宅急便等で送付いただいた計測器を関西試験センターで校正する持込校正も、月1回ほどの頻度で実施している。
「IATF 16949を取得した当時、私はまだ在籍していなかったのですが、生産が順調で24時間稼働しており、生産を止められないなかで、出張で認定校正に対応可能な校正機関を探してJQAに依頼したと聞いています。今も24時間体制で生産しており、連続生産にかかわる計測器は出張校正で、使用頻度の高くない計測器については持込校正で対応いただいています。持込校正もJQAは発送から返送まで約2週間とリードタイムがきっちりしており、納期が見えるため、計画が立てやすく安心です」(光岡氏)。
同社の出張校正は基本的に金曜日と土曜日の2日間で行い、連続生産に影響の少ない計測器の校正を金曜日に、連続生産にかかわる計測器の校正を工場が停まる土曜日に実施している。
その際の日程調整や、出張校正期間中の詳細な製造スケジュールの事前提示など、いつも弊機構が対応しやすいようにご準備くださり、その配慮には感謝の念が尽きない。
同社では、温湿度計など一部の計測器については社内で校正している。計測器校正の方針についてお聞きした。
「弊社はISO 9001やIATF 16949を取得していますので、その要求事項に従って、弊社独自の校正手順をつくり、校正を実施するスタッフの力量を管理して、それを記録に残すことを規定しています。また、社内校正員の教育についても、規格の要求事項に基づいた社内規定を設けています。社内の校正資格を持ったスタッフが一定期間OJTで指導し、力量を認めれば、校正員としての資格を付与しています。なお、校正の基礎知識を学ぶ上では、JQAのWEBセミナーも活用しています」(光岡氏)。
入社して約半年の矢野氏は社内校正員となるべく、ただいま勉強中。JQAのWEBセミナーも受講した。
「製造業に携わるのが初めてなので、右も左も分からないなか、製造のことも校正のことも一つひとつ勉強中です。JQAのセミナーは、資料もきちんとしており、初心者の私でも分かりやすかったです。すべてを理解できたとは思いませんが、校正とはどういうものか、認定校正とは何かなど、スタートとしての知識を学ぶことができました」(矢野氏)。
矢野氏は現在、計測器の台帳管理や校正の見積もり依頼などを担当している。
セイテック株式会社とJQAのかかわりは深く、前述したIATF 16949をはじめ、品質マネジメントに関する国際規格ISO 9001および環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO 14001もJQAで認証を取得している。
多くのサービスを活用していただいているなかで、JQAの計測器校正について評価やご要望をお聞きした。
「校正の見積もり依頼や持込校正の発注を担当していますが、申し込み方法などの手順が分かりやすく、経験の浅い私でも問題なくスムーズに発注できて助かっています」(矢野氏)。
「出張校正では、我々の生産に影響が出ないように気遣いながら、手際良く校正を進めていただいて感謝しています。要望があるとすれば、メーカーに校正を依頼した際には点検や修理もワンストップで対応してもらえるため、その点でメリットを感じることがあります。難しいかもしれませんが、JQAでも同様のサービスがあると、より便利になると思います」(光岡氏)。
「弊社では自動はんだ付け装置の製造・販売を行う一方で、その自社装置を使ってEMSの実装や組み立ても行っています。作り手でもあり、使い手でもある優位性を活かして、今後はさらに、はんだ付け技術を究めていきたいと思っています。そのためには製造部門のレベルアップと、それを担保する品質部門の活躍が不可欠ですし、品質という面ではJQAの支えも必要です。今後ともご協力をお 願いします」(中橋社長)。