情報誌 ISO NETWORK Vol.21

JQAからのお知らせ

お客さまにも活用していただけるものに
──JQA審査報告書の様式を改めます

JQAではISO 9001とISO 14001に関しては7月1日から、その他の規格に関しては8月1日から、新しい様式の報告書に全面的に切り替えました。今回の改訂では、審査員がお客さまに対してお伝えしたい内容、つまり、マネジメントシステムの良い点や改善を必要とする点を、これまで以上にわかりやすく記録として残すことに重点を置いています。

背景には、審査の場面では「だれのため」「何のため」に役立つシステムであるべきか、を常に考えようとするJQAの基本姿勢があります。報告書の改訂は、こうした審査に関する基本姿勢を、報告書の作成にまで落とし込んでいく取り組みともいえます。今回の審査報告書の改訂をきっかけに、審査に臨む姿勢が一段とレベルアップしていくことを目指しています。

新しい審査報告書では、審査員が審査を通じて見出した各組織のマネジメントシステムの良い点や要改善点をはっきり記載していくようになります。お客さまには、その記載内容を内部監査に活用するなど、改善活動のきっかけにしていただければ、と思います。報告書の内容を組織内で共有した上で改善活動に生かしていただく、そして、それがお客さまにとって良い結果をもたらしていく、というように、うまく活用されることを願っています。また、JQAの審査チームとしても審査の内容を共有し、次回以降の審査でも継続性を持ち、より一貫した審査が可能になると考えています。

認証センター副所長新報告書検討プロジェクトチーム森廣義和認証センター副所長
新報告書検討プロジェクトチーム
森廣 義和

審査報告書の様式改訂に関するQ&A

  • 審査報告書の記載内容は具体的にはどのように変わるのですか?

  • 「グッドポイント」という所見項目が新たにスタートするそうですが、どのような目的で導入するのですか?

  • 複合審査では審査報告書はどうなるのですか?

  • 審査後に承認印が押印されて送られて来た審査報告書の扱いが変更になるそうですが、どのようになるのですか?

審査アンケートをWeb化します

JQAでは皆さまのお役に立つ審査サービスの提供を目指して、審査終了時にアンケートを実施しています。これまで審査員が調査票を皆さまのお手元にお届けしてご協力をお願いしてきましたが、11月からは、設問を見直したうえで、原則としてWeb上で回答いただく方式に切り換えさせていただきます。

お客さまの声をきめ細かく把握するために

アンケートでは、経営者や管理責任者の方々に私たちの審査サービスに対するご意見・ご要望をお聞きしてきました。これまで、約9割のお客さまからアンケートをお返しいただいており、その結果をJQA内部で共有し審査技術やサービスの向上に役立ててまいりました。皆さまのご協力にあらためて御礼申し上げます。

JQAでは、お客さまのニーズが多様化するなかで、アンケートを審査の質の向上にさらに役立てていくため、アンケートの見直しを検討してきました。この11月をめどに設問および実施方法を変更します。

設問に関しては、現在は審査に対するお客さまの満足度を7つの項目にわたって「満足」(5)から「不満」(1)まで5段階で評価していただいています。この5段階評価の結果はここ数年大きな変化はなく、満足度は平均して「4」以上と高い評価をいただいていますが、ここからお客さまのご要望を的確に把握するのは難しくなってきているのが実情です。

品質推進室室長佐藤根隆之 品質推進室室長
佐藤根 隆之

一方、アンケートには5段階の定量評価に加え自由意見欄を設けており、ここに記載いただいた回答は、お客さまの貴重なご意見が書かれていることが多いので、データベース化した上で審査サービスの具体的な改善に役立てています。しかし、これまで自由意見欄にご意見・ご要望をお書きいただく方は、ご回答いただいたお客さまのうち、2割程度にとどまっており、より幅広いお客さまのご意見・ご要望を把握していく上で限界がありました。

新しいアンケートは、こうした実情を踏まえて、過去のアンケート結果をもとに作成した選択式の質問に、「はい」「いいえ」でお答えいただく形式を中心にします。また、審査内容について伺う項目では、これまでのアンケートの自由意見欄で寄せられたお客さまからの好・不評両面のご意見・ご要望を類型化し、選択項目に加えることにしました。さらに、「総合満足度」と「窓口サービス」の2つの項目について、従来の5段階評価でお答えいただくことにしました。また、従来のアンケートは審査の実施についてのみ伺っていましたが、新アンケートでは、事前連絡から審査内容、審査員の力量、審査報告まで審査の流れに沿って評価いただくことにしました。これらアンケートの内容の見直しによって、お客さまのニーズをきめ細かく把握することができるようになると考えています。

アンケートの電子化で迅速な改善につなげます

アンケートの実施方法は、手書きで記入し郵送していただく方法から、Web上の専用ページでご回答いただく方法に変更します。業務の電子化が進むなか、アンケートのWeb化を望む声はお客さまの間からも寄せられていました。JQAとしても、回答を即座にデータベース化し、迅速に業務改善に役立てることができます。

具体的なご利用方法は、別途お客さまにご案内してまいります。引き続き、審査アンケートへのご協力をお願い申し上げます。