ISO 14065(JIS Q 14065:2020)

当機構は、公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)より2011年3月に国内で初めてISO 14065注1の認定を取得しました。ISO 14065は、「温室効果ガスに関する妥当性確認・検証機関」に対する要求事項を規定した国際規格です。

JQAのISO 14065認定取得の範囲

認定番号 妥当性確認・検証プログラム 認定分野
GHG001 ISO 14064-1注1 組織検証 8. 電気・電子・産業機械
9. その他 製造業
ISO 14064-2注1 プロジェクト検証 1. GHGの削減プロジェクト(エネルギー産業)
3. GHGの削減プロジェクト(エネルギー需要)
14. GHGの吸収プロジェクト(森林)

※CSR(corporate social responsibility)報告書におけるGHG排出量のレビュー評価は含まない。

JAB Organization Verification GHG001 JAB Project Verifiation GHG001

国際的な課題である温室効果ガス(GHG)削減を効果的に進めるためには、企業や工場によるGHGの削減量および吸収量(以下「GHG排出量等」)の定量化・モニタリング・報告、そして第三者機関によるGHG排出量等に対する妥当性確認・検証について、国や地域を越えた国際的に整合のとれたルールが必要となります。
そのため、海外では、国際炭素行動パートナーシップ(ICAP)注2などが、GHG排出量等の算定・報告のルールの国際的な整合を図るべく、ISO 14064の導入も検討テーマのひとつとしています。
日本でも自主参加型国内排出量取引制度注3、その後継のASSET事業注4や、J-クレジット制度注5などがISO 14064に準拠した制度設計であり、これらの制度の妥当性確認・検証を実施する機関には、ISO 14065の認定取得が要求されています。

当機構は、このような国内外の動向を踏まえ、いち早くISO 14065に基づくGHG排出量等に対する妥当性確認・検証体制を整備してきました。それらを基盤として、国内外におけるさまざまな地球環境関連のサービスを見据え、信頼性の高い妥当性確認・検証サービスを提供しています。

  • 注1 温室効果ガスに関するISO 14000ファミリー規格:
規格番号 規格名称 規格内容
ISO 14064-1:2018 温室効果ガス−第1部:組織における温室効果ガスの排出量及び吸収量の定量化及び報告のための仕様並びに手引 企業や工場など組織単位のGHG排出量の算定・報告に関する仕様を規定している。
ISO 14064-2:2019 温室効果ガス−第2部:温室効果ガスの放出又は除去強化の定量化、監視及び報告のためのプロジェクトレベルでの手引き付き仕様 燃料転換や風力発電の導入などのGHG排出削減プロジェクトや、森林経営等によるGHG吸収プロジェクトによる削減・吸収量の算定・報告に関する仕様を規定している。
ISO 14065:2020 環境情報を妥当性確認及び検証する機関の一般原則及び要求事項 ISO 14064に準拠したGHG排出量等に関する妥当性確認・検証を行う機関に対する要求事項を規定している。
  • 注2 国際炭素行動パートナーシップ(ICAP):
    各国各地域の排出量取引制度を国際的にリンクさせる検討を進めるため、EU主要国、アメリカ・カナダの州、ニュージーランドなどにより2007年10月に発足しました。日本(環境省)はオブザーバー参加であるが、2009年4月に東京都が加盟を認められました。
  • 注3 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS):
    企業や工場などの組織単位の排出削減を促す仕組みで、環境省が2005年に開始しました。国内排出量取引に関する知見・経験の蓄積を目的とした自主参加型の排出量取引制度で、その目的を果たしたとして2013年をもって終了しました。
  • 注4 ASSET事業(先進対策の効率的実施による業務CO2排出量大幅削減事業設備補助事業):
    CO2排出量の増加が著しい業務用ビルにおいて、先進的な設備導入と運用改善を促進するとともに、市場メカニズムを活用することで、CO2排出量の大幅削減を効率的に図る制度で、環境省が2012年に開始しました。
  • 注5 J-クレジット制度:
    森林経営や省エネルギー機器の導入などの取り組みによる、温室効果ガス(GHG)の排出削減・吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。本制度により創出されたクレジットは、カーボン・オフセットなどのさまざまな用途に活用できます。