- 企画・推進センター 事業推進部
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ISO本部では、マネジメントシステム規格間の整合を図るための取り組みが進んでおり、早ければ2012年中にも新しい枠組みが決定する見通しです。これ以降に発行、改定される規格は、この新しい枠組みを積極的に採用することになっており、2015年に予定されているISO 9001、ISO 14001の両規格の改定を始め、すべてのマネジメントシステム規格に適用される可能性があります。
2006年、ISO本部にJTCG(Joint TechnicalCo-ordination Group = 合同技術調整グループ)という委員会が設置され、マネジメントシステム規格の整合性向上の手順などに関して、改定・作成を含めた作業が行われています。以前からISO 9001とISO 14001など、複数の規格の要求事項・用語に統一性がなく、導入する組織にとって負担となっているということが指摘されていました。このため、ISOでは当初、ISO 9001とISO 14001の統合規格に向けた検討が行われていましたが、JTCGのもとではこれを発展的に解消し、セクター規格を含めたすべての規格の根幹となる「ハイレベルストラクチャー(HLS)」の策定に向けた取り組みが進められています。
HLSとは、すべてのマネジメントシステムに適用できる共通の構造、テキスト、用語の定義を定めるものです。JTCGには各規格の要求事項作成に携わるTC(専門委員会)、SC(分科委員会)などのメンバーが参加し、共通テキストと用語の定義の2つのタスクフォースに分かれて検討を行いました。その内容はJTCGの国際会議で討議され、直近の2011年9月の会議でFDIS(最終国際規格案)が採択されました。ただし、コメントが多数寄せられたため、2011年12月にJTCGの会議が開催され、再度当該FDISに対する検討が行われる予定です。
HLSは表のような構成となっており、以下の原則のもと、各規格に適用されます。
まず、2012年に国際規格が発行予定の道路交通安全マネジメントシステム ISO 39001では、先行してHLSが採用されています。また、2012年ごろ規格改定が行われるISO 27001にもHLSが適用されます。ISO 9001、ISO 14001では2015年に予定されている次期改定で適用される可能性があります。
HLSの主な特徴としては、6.1項の要求事項の中にリスクの概念(the risks andopportunities)が規定されていること、期待された成果の達成と望まない効果の回避について規定されていることなどがあげられます。
HLSは、各規格に共通する要素を抽出し標準化を図ったものなので、概して既存の要求事項と大きく相反することはありません。
今後、各規格にHLSが適用されると、規格間の要求事項が相反することがないため、複数の規格を導入する組織の負荷が小さくなり、JQAが推進する複数規格の統合も一層進めやすくなるなどの効果が期待されます。
JQAでは、これからも各マネジメントシステム規格の改定等の動向を通じて、HLSに関する情報も適宜発信していく予定です。
ITSMSの国際規格ISO/IEC 20000-1:2005(情報技術−サービスマネジメントシステム要求事項)の改定版ISO/IEC 20000-1:2011が4月12日に発行されました。JQAは、2012年7月(予定)の当規格のJIS発行と同時に移行審査を開始する予定です。以下に規格改定の概要と、移行審査のスケジュールをご案内します。
規格の購入は財団法人日本規格協会(JSA)のウェブストアで購入が可能です。
JSAホームページ:https://www.jsa.or.jp/ ISO/IEC 20000-1:2011 邦訳冊子:¥14,700
当規格の認定機関である一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の発表によれば、移行期限はJIS発行から2年間の予定です。なお、すでに取得されているお客さま、これから認証を取得されるお客さまには、2011年版の移行審査に関し、別途ご案内を差し上げる予定でおります。